タイトルや表紙から軽いうさん臭さを感じる人もいるかもしれませんが,読者のことを考えてまじめに作られた,実用的な本です。
5章構成ですが,個人的には,この本の価値の大部分は第1章「これだけ聴ければ困らない」にあるように思います。
例えばレジでカードを出してDebit or credit?と聞かれたり,コーヒーを頼んでCream and sugar?と聞かれたりしたとき,スムーズに反応するために必要なのは,リスニング能力ではなく「そういうことを聞かれるものだ」という知識なんですよね。
(余談ですが,日本語で言えば,コンビニの「あっためますか?」とか,カードを出したときの「お支払い回数はいかがいたしますか?」なんかがこれに当たると思います。「弁当を買ったら,温めるか聞かれるものだ」「日本では,一括か分割かを聞かれるものだ」という前提知識がないと,いくら日本語ができても,スムーズにやりとりできない。)
そんなリアルな表現を,応じ方と合わせてずらっと紹介した第1章の設計は,シンプルで秀逸です。
第1章以外は「話す」ための表現集になっていますが,網羅性のある第2章と,有用な表現に絞った第3〜5章という構成のバランスもいいと思います。
長ったらしいスキットで旅行会話を勉強するよりは,極めて学習効率がよいと思います。良書です。