素晴らしく完成度の高い辞典である。
この辞典を編纂するのにどれほどの労力を要したかを考えると、気が遠くなる。
小山貞夫氏が成し遂げた偉業を、心から讃えたい。
研究社が近年出版したもののなかでは、最も素晴らしい辞典に仕上がっている。
この辞典には英和中辞典クラスには掲載されていない英米の法律用語が網羅されていて、もし不足や間違いを指摘しようと試みるならば、相当な知識と使いこみが要求されるほどで、文句のつけようがない。
それもそのはず、凡例の数ページを読んだだけで、利用者目線にとことん配慮して、考え抜かれたメソッドで構成されていることがわかる。
巻末に195ページにわたって「法学上重要な語義」の和英対照表が掲載されているのも、地味に使い勝手がよい。
外国の法律文献に頻出するラテン語の法格言や成句の和訳も多数掲載されていて、その和訳がとてもわかりやすく、格調高い訳文となっている。
また、中辞典クラスに載っていない英単語には発音記号が添えてあり、ラテン語等の成句や文章には全体に発音記号が添えてある。なんと丁寧な配慮で、これがどれだけ便利なことか。
参照した和訳を論文などのテキストに落とし込んでそれを講義や学会で発表するときに、元が何語であれ本来の読みがどうあるかを知っておくべきなのは当然であるが、発音を別の辞書で調べなくても、この一冊ですべて事足りる。
日本が世界に誇ることができる Koyama's Dictionary、この内容にしてこの価格は、外国法に携わる人にとっては、安すぎる投資だと思う。