受験勉強をしたのは今から約20年前。駿台予備校で浪人し、英文読解に関しては、伊藤師などの講義以外に、同師の英文解釈教室や筒井師の英文解釈その読と解などの参考書を使って勉強した。どちらも難しいが、なんとか読破することで実力は大いに向上した。これ以上の参考書は出てこないと思っていた。しかし、最近、趣味でいろいろな英語の参考書に目を通すようになった。本書は最初は目にもとまっていなかった。薄いし、今時の受験本はこんなものばかり…と馬鹿にしていたのだ。しかし、ふと興味が湧き、中古本で購入してみると…なかなかいい参考書だと思った。西師も伊藤師の影響を受けている印象で、「英文を左から右へ…」なんていう伊藤先生の得意文句が出てくる。英文の単語は極めて平易で、基礎がある程度ある者であれば、辞書に頼る機会はほとんどないと思う。その分、解釈や構文、文法などの理解に力を注げると思う。伊藤先生の英文解釈教室は難しい単語もたくさん出てくるため、意味の分からない単語に気を引かれてしまうきらいもあった。また、当時の難解な受験問題の影響もあり、難解かつ稀な構文や読み方を教えている部分も多かった。しかし、そのような箇所は、受験が終わればきっと忘れ去られてしまうだろう。今の受験問題は、良くも悪くも平易になっている印象があり、伊藤師の解釈教室などは趣味の域になりつつある。そんな今、伊藤師の教え方の良い部分を持ち合わせ、現代人の相性に合わせて書かれているのが本書だと思う。言い過ぎかもしれないが、英文解釈教室の超エッセンス版みたいな印象だ。解釈教室は復習しにくかったが、本書なら繰り返し復習も可能だと思うし、記憶を維持するという意味では、本書に歩があると思う。正直、本書を読んで新たに知ったことや、なんとなく理解していた部分が、はっきり理解できたりもした。間違いなく、良書の一冊である。