海外のオタクが、日本の「オタク文化」(本当はこういう括り方をするのには問題があるわけだけど)を理解するにあたり、重要と思われるポイントとそこへ至る、あるいはそこから発する流れを簡潔にまとめた良書。
重要なのは、これがきちんと「海外のオタク」によって書かれた本であるということです。彼らが何を知りたがっているのか、これを理解するための前提条件はなにか、どういうメンタリティのもとにこれは作られたのか、そういう文化論的なアプローチでもって書かれています。
そういう意味では、海外のオタクでもけっこうハイブロウな層に向けているんじゃないかと思われますが、そうでなくても様々な知識の入り口として作られているのが良心的です。
最近の日本のぬるいオタクでは知らないようなオタ知識も、今の状況を決定づけた社会的事件も、外から見るものの目で分析されて客観的に解説されていて、項目数が多いわけではないのだけれど、その選び方にあまり疑問を感じさせないあたり、本当の意味での「興味本位」であるのがよくわかります。
もちろんいい意味で「この言葉をチョイスするのか!」というようなものも多数含まれているので、そういった向きでも面白がれます。
あと、様々なオタク業界人に行ったインタビュー記事もとても面白く、彼ら彼女らの意外な一面が垣間見えるというのもこの本の面白いところです。聞き手が属する文化が違うとこんなにも面白い、聞いたこともない回答が引き出せるのか、という好例。
英語を読むのに抵抗がなければ、日本人が読んでも極めて面白い読み物なので是非どうぞ。もちろん、近くに悩めるオタク外人がいる方は是非。