これは、仕事上の必要から英文Eメールを書くひとにとってたいへん有用であり、また広く日本人の情報発信能力を向上させるため有益でもあるガイド本。構成・説明は非常に実際的で、必要なことしか書かれていない・・・が、そのメッセージは、実は、日本人が陥りがちな英文ライティングの根本問題を的確についている。たとえば、長い間英文を使って仕事をしてきた日本人で、いまだ「結論(あるいは要点)を冒頭に書く」という英文スタイルを理解していないケースがしばしば見受けられる。本来、他人の良い例をたくさん見て吸収すればそれは自然に身につくのであるが、実はそれがなされていない。本書は、はっきり「自分で考えるな、手本をコピーせよ」と明言して説明もそのように構成されている。論文でもビジネス文書でも、つまるところ、自分の意図を簡潔に正確に効率よく伝えるのが要点であり、良いEメールの書き方とは、それを凝縮したスタイルの解説であるべきである。これほどインターネット全盛の時代にあって、日本人の情報発信能力はまだ弱いといわざるを得ない。唯一の世界共通語である英語での発信能力の重要性はあまりに当然すぎて指摘の必要もなかろうが、英文Eメールを自信をもってすばやく書けないひとは、つまるところ、発信能力が殆どないに等しい。一読、そしてそのあとはひたすら実践、をお勧めする。