美しい家具は手工芸品ですから、それだけで鑑賞に堪えますが、イギリスの古いお屋敷に置かれている英国家具は、その役割とフォルムの美しさを誇示しているかのように鎮座しています。時代を越えて国境を越えて英国家具の美しさは万人の見とめる所でしょう。それゆえ、多くの収集家がそのアンティークな家具を求めているのはよく理解できます。
まず、第2部の「英国家具を知るマナハウス15選」から読み進めました。マナハウスの「マナ」とは、中世封建時代の荘園を意味するそうです。ですから、「マナハウス」とは荘園領主の館というのが本来の意味だそうです。一般的には貴族階層の館、という意味でしょうか。
第2部は全てカラー頁ですので、眺めているだけで満足してきます。実際、現地に行けばもっと感動できるのに違いありませんが、いながらにしてイギリスの邸宅を訪問出きるのは読書の醍醐味でしょうね。
順序が逆になりましたが、第1部は「英国家具入門」で、古代エジプト、古代ギリシャ、古代ローマの時代から家具前史の記述はスタートしています。オークの時代、ウォルナットの時代、マホガニーの時代、サテンウッドの時代とその変遷が実に詳しく図解を交えて記述してありますので、門外漢にとっても理解しやすい編集でした。英国家具・様式年表、英国家具用語小辞典も収録されています。
なお、筆者の高橋守氏は、英国の家具文化の資料編纂を業務の傍らに始められ、英国庭園に関連する著作も表わしている方です。