イーリングコメディと呼ばれ英国コメディの全盛期黄金期に撮影スタジオとしてフル稼働した工房の栄枯盛衰である。
1929年ロンドン郊外イーリング自治区に小さな映画スタジオが完成した。その名は『イーリングスタジオ(EalingStudios)』
このイーリングスタジオ(EalingStudios)では、その後の七年間でおよそ70本のコメディが作られるが、その時期がまさに、
のちにイーリングコメディと呼ばれるようになる英国コメディの全盛期・黄金期だったかもしれない〜というのが本書の主旨である。
イーリングコメディとして、現在日本でDVD化されていて見られるのは
『マダムと泥棒』
『カインド・ハート』
『白衣の男』
『夢のなかの恐怖』
『オードリー・ヘップバーンの初恋』
などであるが、本書ではその作品解題と、英国の歴史と重ね合わせたイーリングスタジオの栄枯盛衰が描かれる。
英国コメディというと、茶目っ気がありおしゃれな仕掛けがあり心に残る名ゼリフがあり,だけど爆笑は出来ないという思いがあるが、
なぜそうなのか,英国の階級制や、貴族と労働者の軋轢などの関係があることがよく分かった。
その後映画の時代からテレビの時代になると,上品さが抜けて下品な笑いになってゆく。と,著者が分析しているのだが
『モンティ・パイソン』や『Mr.ビーン』を見ても余り変わらず,そんなには笑えないという事実も大してには変わっていないとぼくには思えるのである。
その後,英語圏ではイギリスの長男であるアメリカのコメディのほうが爆笑できるという面で進化していくが、
それは,移民の国アメリカが,とにかく「分かりやすい」ことを目指したからである。