英語の4つの技能(読む、聴く、書く、話す)の中でも特に苦手にしている人が多いのがスピーキング(話す)事ではないでしょうか。初級者、中級者に限らず、そこそこ英語が読め、TOEICの点も高い人でもスピーキングはさっぱりという人は少なくないと思います。
この本では「スピーキング能力を向上する」アプローチとして、文法的な正確性よりも流暢さの獲得を優先し、「とにかく相手にいいたいことを伝える」力をトレーニングする事を提唱しています。
自分自身の経験から見ても、スピーキングについては、シンプルな英語を素早く口にして、とにかく自分の意図を相手に伝える事が大事だと感じていましたので、著者の主張には説得力を感じました。まず流暢さをトレーニングし、後で正確さを高めるというアプローチは効果的かつ現実的だと思います。
具体的なトレーニングとしては、「英語で考え英語で話す」回路を作るために、基本的な語彙(penとかbookとか)をヒトリゴト(または頭の中で)で英語で説明する事から始まります。自分で説明を考える事と英英辞典の説明を確認するという事を基本的な単語(まずは1000語目標)に対して行う事により、英語で考える事と、英語を素早く話す事の基礎が築かれます。
その後、発音のトレーニングや、普段の仕事への英語思考の適用について、実用性が高い様々なトレーニング法が紹介されています。
さて、トレーニングは継続性が大事です。「これからは英語くらい出来なきゃマズイ」という動機だけで、長期間に渡ってモチベーションを維持するのは難しいですよね。筆者はこの本で動機付けについても新しいアプローチを提言しています。それは、「英語で思考する私」というアルター・エゴを育てる事で自分の創造性と問題解決能力が高まるというものです。この部分については、今までの英語勉強本には無かった新しい考え方であり、とても興味深く、かつ魅力的な考えだと感じました。
総じて、英語初級者から中上級者まで推薦できる英語学習本の良書だと思います。特にスピーキング能力を向上されたい方に合った本だと思います。