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英仏文学戦記―もっと愉しむための名作案内
 
 

英仏文学戦記―もっと愉しむための名作案内 [単行本]

斎藤 兆史 , 野崎 歓
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ディケンズ『デイヴィッド・コパーフィールド』×フローベール『ボヴァリー夫人』、ナイポール『ある放浪者の半生』『魔法の種』×ウエルベック『素粒子』……など、19~20世紀における英仏作品の中からこれぞという名作をぶつけあい、読み比べたら? 文学者・翻訳家として活躍する2人が徹底読解し、その魅力を語り尽くす。読むことのいきいきとした面白さを伝える文学対談!

内容(「BOOK」データベースより)

オースティン『高慢と偏見』×スタンダール『赤と黒』、ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』×フローベール『ボヴァリー夫人』、ナイポール『ある放浪者の半生』『魔法の種』×ウエルベック『素粒子』…イギリス小説とフランス小説が理屈抜きにどれだけ面白いか?19~20世紀の古典的作品でこれぞというものをぶつけあい、読み比べてみたらどうだろう?文学者・翻訳家として活躍するふたりが12の名作を読解し、その魅力を語り尽くす。読むことの生き生きとした愉しさを伝える文学対談。

登録情報

  • 単行本: 284ページ
  • 出版社: 東京大学出版会 (2010/7/23)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4130830538
  • ISBN-13: 978-4130830539
  • 発売日: 2010/7/23
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
イギリス文学者とフランス文学者が、近現代の英仏文学を語り合うという「対戦」(対談)形式の楽しい一冊。全「6回戦」で、オースティン『高慢と偏見』vsスタンダール『赤と黒』という王道の顔合わせに始まり、時代を下りながら、現代のナイポールとウェルベックという対局で締めくくられる。イギリスとフランスというと何かと対立的に捉えられがちだが、そもそも両者がこうして同じ舞台の対戦に上げられることが多いのは、両者に共通するものがあるからであり、それは、18世紀の両地域、いや、両「国」における「国民国家」と「資本主義」(両者とも不可分の関係にある)の勃興が、新たな「人間ドラマ」の素材をもたらしたということにあるのではないかと私は考える。読者は興味を持った章から気ままに読み進めて、本書の世界に浸るのが良いであろう。私自身、既読のバルザック『ゴリオ爺さん』、フローベール『ボヴァリー夫人』、スタンダール『赤と黒』、オースティン『高慢と偏見』(好きな順)についての対談からは新たに学ぶところが多かったし、まだまだ私の知らない広大な未知の世界が開けていることを感じた。そこで新たな挑戦として、今フォースター『ハワーズ・エンド』を読んでいるところだ。(但し、野崎さんの苦手な吉田健一訳で(笑))
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買いです。 2011/11/14
 ここ数年の改訳ブームで、三十年振りといった本を実家の本棚から取り出して読むことが多かったので、本書も楽しく読むことができました。一応対戦の形式を取っていますが、相手をなじるといったことは当然なく、「高慢と偏見」と「赤と黒」といった、時代や作風であったりのなんらかの共通や対照の関係にある作品を並べて、それぞれがそれぞれの専門の立場から意見を交換し合う体裁で、前作のタイトルにあるように、読書における最上の「たわむれ」と「たくらみ」を味わうことができます。ちょうど先日、岩波と新潮で「高慢と偏見」を再読し、偶然ですが、「次は『赤と黒』を読もう」と、むかし読んだ新潮ですが、文庫を手元に置いていたのも、図書館の天使ならぬ読書の天使の導きだったのかもしれません。巻末にその他の作品と称して、デュラスなんかが紹介されていますが、そうではなくて、ぜひともシリーズ化していただいて、それぞれのこれからの訳業と併せて楽しみたいと期待しています。それと同時に、他の研究者の方も巻き込んでの「英米」(地位の暴落が目も当てられないメイラーあたりの再評価にも期待)であったり、「北米南米」(南米のものは地道に紹介されて、スタインベックも改訳されたのに、あまり日の目を見てないような)であったり、「米露」(改訳ブームの先鞭となった亀山郁夫氏と柴田元幸氏の組み合わせはどうでしょう)であったりも、「世界文学」の更なる広がりを促す試みとして有効なのではないでしょうか。
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By 山科のうし トップ1000レビュアー
 文学好きの人間なら、文学談義が好きな人も多いだろう。ある作品なり作家なりについて、自分の感想、解釈を語ったり、それとは違った人の考えを聞いたり。とはいえ、メンバーやら日程の問題で、ふだんなかなかそういう時間を持てるものでもあるまい。となると、自分で参加はできないまでも、本でそうした対談、座談会の類を読むのも楽しい。
 その種の楽しみが得られる本として、たとえば大森望+豊崎由美『文学賞メッタ斬り!』(ちくま文庫)とか、丸谷才一ほか『文学全集を立ちあげる』(文春文庫)などが挙げられると思うが、本書もそうした楽しみ方の出来る本の一つである。
 東大の同僚で、それぞれ英文学(斎藤)と仏文学(野崎)の研究者である二人が、オースティン、スタンダールから、ナイポール、ウェルベックまで、英仏小説の名作12作品をとりあげて紹介かたがた縦横に語り合ったもの。先の二冊が広く短く多くの作品を扱うのに比べると、対象を絞りこんだ本書は、もちろん数では見劣りするわけだし、読者も英仏文学に興味がないと読まないかもしれないが、その分、扱う作品の世界により深く入り込んでゆっくり浸れる魅力がある。
 ただし題から連想されるような丁々発止の議論の応酬があるわけではない。そもそもこういう本を出したくらいだから二人は仲がいいのだろうし、年齢も近く、掲載された写真でもともに優しそうで、雰囲気が似ている。だから『戦記』という題も、前書きで説明されているように、英仏からそれぞれこれはという作品を選んで面白さを比べる、という遊び感覚の設定によるものらしい。
 というわけで、もっと激しいぶつかり合いとか、刺激的な鋭い見かたが飛び交うことを期待する向きにはやや物足りないかもしれない。ペアで取り上げられる英仏作品にしても、この際もっと「勝負」に徹して、どっちがどういう点で優れているとか、名作と言われているがこの点は評価できない、などという展開もあり得るのかも思っていたが、実際には、比較対照のような話はあっても、あくまで穏やかなものだ。
 それでもあえてして、二人の批評対決とみると、斎藤さんはもともと文学プロパーの人ではないようで、そのせいもあるのかどうか、個人的にはやや野崎さんが優勢に見えた。
 いずれにしても楽しい本には違いない。とくに、作品のもつ批評的豊かさのゆえか『ボヴァリー夫人』と、野崎さんの思い入れがたっぷり感じられる『ナジャ』の章などがいいように思った。
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