本書の主題は、苦情の対応方法である。著者は西武百貨店の顧客相談窓口に勤務していた経験を持っており、百貨店における苦情の事例を通して様々な教訓を記している。
内容は、「苦情学」というタイトルがイメージさせるような理論的・学術的・体系的なものではない。どちらかというと、著者が退職を機に自ら業務経験をまとめたものという印象だ。 このような事例を取り上げた本は、これまでも多く出版されており、本書に特に際立った違いがあるわけではない。あえて言えば、百貨店での事例に絞っている点と、苦情対応に関する社内研修についての記述が多いことであろう。したがって、百貨店関係者にとっては、身近な事例なので直接的に役立つだろうし、苦情対応研修の担当者には示唆があるだろう。