三十歳の声を聞く世代、所謂就職氷河期を通過した人間なら頷ける一冊
本書では、「弱者となった若者」と繰り返し述べているが、ここは「弱者であり続ける・強いられる若者」と読み直すべき部分があり、そこが食い物にし"続ける"というタイトルに繋がっているのだろう。
年功序列社会の言葉に表させるように、終身雇用制度は年次昇給とセットであり、その引き換えに若年時の手取り給与は抑えられてきた面がある(寮などの各種の手当などは割愛する
ところが、昨今の不況による終身雇用制度がリセットされ、新規の労働力(=若者)は安売りによってのみ職を得られなくなっている。当然の事ながら、他に安売りがある以上、積極的な値上げ交渉は行われにくい。派遣労働者や短期派遣工の一面だろう。
一方で、これまで弱者と理解されてきた立場は既得権として手つかずのままであったりする。現金収入の面はともかく、平均的な資産・貯蓄高と若年労働層の相対的な地位低下を併せ見れば、これまで通りの境遇を受けるのはナンセンス、過度の負担である事を指摘している。
同時に、少子高齢化による労働者層と年金受給層の比率修正を加えれば、一家を作り子どもを抱え、同時に収入も上昇し〜な前提条件が崩れていること、一企業では改善しきれない問題でもある事を各所で示唆している。
「これだから団塊は〜」という台詞は、「今時の若者は〜」と同質の思考停止なのだろうが、若者の政治離れというものが政治・政権の無反応の裏返しで、投票数≒高齢者といった声に忠実な施策といった公的支援のアンバランスさにも触れているのが、他の若者批判、団塊批判本とは異なる所だろう。