タイトルの前半だけ見ると、「最近の若者はすぐ会社を辞める。我慢がない。」という
聞き飽きた説教を述べる本かと思ってしまうが、『年功序列が奪う日本の未来』とある通り、
日本の企業に根付いた年功序列の悪しき体制を鋭く、かつ冷静に批判している。
年功序列が生きていた時代と、
その腐った体質だけが残り、勤め続けても決して未来は約束されていない今とは
根本的に違うという事実の指摘に、拍手を送りたい。
私も若者の一人として抱いている率直な感想だが、
何となく会社に入って無難にこなしていれば出世でき、将来も安泰だった時代は簡単だったと思う。
今は就職に当たって細かな自己分析が要求され、学生なりに真剣に自分と向き合い、
どんな理由でどの会社に入って何がやりたいのか、自分には何ができるのか、を突き詰めて考え抜き、
面接の場で見事にそれを表現しきった者だけが内定を得る時代。
そのくせ入社してみたらそれだけの能力を生かす場も与えきらない、会社という不可解な存在。
ミスマッチの原因も入社した側にばかりあるとは言えないのではないだろうか。
入社するに当たって大した志望動機も求められなかった先輩方には理解できなくて当然かもしれないが。
タイトルには「3年」とあるが、今はもっと早く転職を考える人も少なくないと思う。
かく言う私も2年4ヶ月で退職したクチだ。
本当は3年ぐらい経験してみないと仕事の内容も会社の体質も、自分がそこに合うかどうかも
わからないというのは一理あるし、私自身ももともとは「最低3年」と思って入社した。
しかし想像すらしていなかった過酷な現実が待ち受けていたのも事実で、
正直、あと8ヶ月ねばっていたら死んでいたかもしれない。
今の若者には我慢がない、という人がいる。私ももちろんそれは否定しない。
しかし我慢をすれば報われた時代と、我慢のツケを自分の命で払わなければならない今とは
同じ次元で語れるはずもない。
私に言わせれば、結果の出ない我慢など無駄でしかない。我慢そのものを美徳とする時代は終わったと思う。
もはや根拠のなくなった「最低3年」に縛られてはいけない。正しい決断を下すのが早くて悪いことはない。
就職にしろ転職にしろ、巷で飛び交う常識論、原則論を鵜呑みにしていては、
決して幸福はつかめない時代だと思う。何が事実で何が幻想かを考えるのは自分自身。
これは大変厳しいことではあるが、避けて通れぬ道だ。自分の幸せを決めるのは自分しかいないのだから。