第一章で大学の“いびつ”なキャリア教育の実情から始まり、
就職市場の変化、新卒一括採用の功と罪を分析した後
『ではどうすればいいのか』を理想に走り過ぎず、地に足ついた視点で論じる。
安易な『若者頑張れ論』になっていないのを評価したい。
本書の中で一番印象に残っているのは
『現在の新卒市場では個人の能力に関わらず(いわば構造的に)、
正社員になれない若者が一定数(それも少なくない数)出てしまうのに、
教育の場ではそれを教えないし、それを踏まえたキャリア教育も行っていない。
また、苛烈な競争を越え正社員になったとしても、
劣悪な環境の中、使い捨ての雑巾のように働かされる。
こんな現状も教育側では教えないし(若者はこの現状を肌で感じ取っているだろうが)、
こういった劣悪な職場に就職した際に、自分を守る術も教えない』
ということを論じた部分だ。
それではいったいなんのためのキャリア教育なのか、と考えさせられた。
レールを外れて地獄、レールにのっても地獄とくればもはやレール自体を変えるしかない。
内定もらったもらえないのレベルの話ではなく、
制度や教育自体を変えなければ若者に未来はないということを痛感させられた。
就職を控えた全ての若者に読んで欲しい本。