題名に魅かれて読んでみました。中身はというと玉石混交なのかな。フレンズはその設定の非リアルさに苦笑してしまいます。実験作品です。でもそれ以外はそれなりに読ませてくれます。
相変わらずこの作品集も、魅力に欠けるあまりにも現実的で、そして若くないというようより初老の男性陣が目白押しです(もっとも「若い人」の中のシンさんは例外ですが)。よくもまあ、これほど魅力のない男性を造型できるものです。これじゃ普通の恋愛小説にはなりません。
では女性はというと、これもあまりお近づきになりたい女性が登場しないのです。現実はもっと素晴らしい女性ばかりという印象を私はこの世代の女性に対して受けるのですが。主人公たちは、定年の年代に近づきつつある女性たちなのですが、みんな若いときのそれなりの経験を経ながらも、最終的には結婚することもなく、現在に至っています。
男性への案外ステレオタイプな描写とは異なり、著者の描く女性主人公たちは、みなどれもがそれぞれ独自に不幸で非魅力的なのです。最後の「オープニング」はまれにみる毒のある小説です。登場する女性も男性も、このような年齢で。このような場に、このような思いで集まるというのは、著者なりの現代日本のエッセンスの抽出なのでしょうか。