三島の小説は中学高校時代に乱読したが、エッセイを読んだのは本書が初めて。
早く読むべきだったと大いに後悔したと同時に、20代初めに読めてよかったと感じた。
内容は、芸術や政治、ナショナリズム、防衛問題、男女関係、文学論に文化論までどの分野においても至言の嵐。
対談を読んでも、よくこれだけ立て続けに名言を吐けるなぁと感心した。
例を挙げよう。
・人生というものは、死に身をすり寄せないと、そのほんとうの力も人間の生の粘り強さも、示すことができないという仕組になっている。
・危機というものが男性に与えられた一つの観念的役割であるならば、男の生活、男の肉体は、それに向かって絶えず振り絞られた弓のように緊張していなければならない。
・(福田恆存との対談にて)
三島「だから、「文化を守る」といふことは、「おれを守る」といふことだよ。'scさんもさう思つてゐるだらう」
福田「さう、おれが文化だもの」
これらはほんの一部である。
誇張抜きで、今後自分は何度となく本書を読み返すだろうと思う。
三島に対しては今も生きて、だらしない昨今の政治家や経済人、知識人を始めとする日本国民の尻を叩いてほしかったという気持ちと、いや彼はあの最後でよかったのだという気持ちがないまぜになっている。
しかしともかく本書に彼の言葉は残っており、若きサムライ(年齢など関係ない。これは気持ちの持ちようの事だろう)の私たちは読むことができる事を感謝し、行動、実践するだけである。