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若きアインシュタイン―相対論の出現
 
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若きアインシュタイン―相対論の出現 [単行本]

ルーイス パイエソン , 板垣 良一 , 佐々木 光俊 , 勝守 真
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,940 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容説明

A detailed account of Einstein's childhood and formative years focuses on the intellectual climate of Germany where, before 1919, his trailblazing work on the special and general theories of relativity received widest notice. The author explores the response to the theories by pure mathematicians, who did not have to face the prospect of a fundamental revision of their basic principles, and by physicists and astronomers, who did. Of interest to physicists, academics and students interested in Einstein himself and in the wider history of science and ideas, or in the social and intellectual history of Germany. --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

注目に科学史家ルーイス・パイエンソンが、若きアインシュタインの生きた環境を明らかにし、新しいアインシュタイン像を描く。アインシュタインの人格形成期、革命理論としての相対性理論が生まれた社会的、知的風土、そしてこの理論の受容過程を詳細に知ることができる。

登録情報

  • 単行本: 332ページ
  • 出版社: 共立出版 (1988/10)
  • ISBN-10: 4320008618
  • ISBN-13: 978-4320008618
  • 発売日: 1988/10
  • 商品の寸法: 21 x 15 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
ニュートン力学の理論をアウへーべンし特殊相対性理論を構築したアインシュタイン(1879-1955)。従来、アインシュタインの天賦の才がこの理論の源との評する考え方が支配的であったが、本書は彼が育った家庭環境、教育環境、学問環境の影響が大であったことを主張し、その考え方にそった叙述をしている。その意味では、新しい科学史論である。
わたしは、当時の純粋数学の牙城であったゲッチンゲン大学の研究者、とくにミンコフスキー、ヒルベルトの立場とアインシュタインの考え方との相違に興味があった。
アインシュタインはもちろん充分な数学的素養をもっていたが、ヒルベルトの一般相対論の公理的提示に違和感をもち、数学的形式は物理学にとって「物理学的推論」と呼ぶものに役立つ道具にすぎないこと、基本的な物理的法則は実験的現象との緊密な比較によって達せられると考えていたという(p.33)。しかし、当時の物理学界はヒルベルト流の純粋数学の審美性、無矛盾性、完全性の虜になっていたようである(p.120)。
「第一章 アインシュタインの教育−数学と自然法則−」
「第二章 無謀な事業ーアインシュタイン商会と19世紀終わりのミュンヘンにおける電気事業」
「第三章 独立独歩の人ーアインシュタインの世界観の社会的起源」
「第四章 ヘルマン・ミンコフスキーとアインシュタインの特殊相対性理論」
「第五章 数学の支配下の物理学ー1905年のゲッティンゲン電子論ゼミナール」
「第六章 後期ヴィルヘルム期における相対論ー数学と物理学との予定調和へのアピール」
「第七章 数学、教育、そして物理的実在へのゲッティンゲン的アプローチ、1890-1914」
「第八章 相対論における物理的意味ーマクス・プランクによる『物理学年報』の編集、1906年から1918年」
「第九章 初期アインシュタインの共同的科学研究」。
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形式:単行本
高名な科学史家ルイスパイエンソンの筆になる本書は、アインシュタインが相対論を構想するプロセスを復元する研究かと思いきや、実は全然違う! その種の議論は他にゆずり、パイエンソンがとる戦略は、相対論という革命的発想を思いついたアインシュタインという人物を形作った19世紀末〜20世紀初頭のドイツの教育環境や文化的潮流に注目すること。アインシュタインの相対論構築過程に直接言及することは一切なし!

パイエンソンは自らのアプローチをこう正当化する――革命を引き起こすのは革命の指導者だけではなく、革命を支持する大衆という広い社会的基盤の醸成であるがゆえに、科学革命もまた同様に分析されるべきである、と。なるほど、確かにその通り!

科学的創造性と社会的環境の関係性に関心のある私にとってはパイエンソンのアプローチそのものは非常に納得できるものですが、しかし残念ながら、本書を読んで、相対論を産み出したアインシュタインのような人物がほかならぬ20世紀初頭のドイツに出現した理由を得心できたわけではない。議論に説得力がなかったのではなく、あまりに外堀から攻めすぎていて、決定的な感覚を持ちにくいのです。☆三つなのはそのためです。

とは言うものの、内容それ自体は実に興味深い! ことに19世紀末以降とそれ以前でドイツ物理学者の主な供給源が中流階級に移るという大きな変化があった事実の指摘は興味深い。これだけでは科学革命の舞台がドイツであったことを何も説明しないけれど、階層の変化は考え方の変化を帰結することが多い。確かに何かしらの背景が整えられていったと思われます。また、アインシュタインその人の知的パーソナリティの形成の分析も重要ですが、パイエンソンは、スイスアーラウの州立学校での優れた教師陣から受けた知的影響がアインシュタインの科学観を形作ったのではないかと言います。アインシュタインを教えた教師一人一人をよくここまで調べあげたものだとただただ感嘆するばかりです。

面白い本かと言われれば面白くはありませんが、一読すれば相対論誕生前後の時代の状況が浮かび上がってきて、読む前と後とでは風景が一変ほどではないがずいぶんと違って見えるようになる本だと思います。
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