大島みち子さんと河野実さんの往復書簡集「愛と死をみつめて」が1963年に発売されてベストセラーとなり、翌年日活から吉永小百合と浜田光夫主演で映画化されこれも大ヒット、レコードも青山和子の歌で発売されその年のレコード大賞を受賞した。42年ぶりに草なぎ剛と広末涼子主演でTVドラマ化されるにあたり本が再刊された。「若きいのちの日記」も当時よく売れて今回一緒に再刊された。
私はリアルタイムではまだ小学生で、青山和子の歌の替え歌を口ずさんでいた程度で本の存在も中身も知らなかった。実際に関心を持ったのは、少し前に日活の吉永・浜田の映画を見たからで、今回たまたま古書店の店頭の棚にあった当時出版された本を見つけて読んたのだが、できれば再刊されたものではなく、当時のものを読んでほしい。図書館に行けば読むことは可能と思われる。
私の本は65年1月の366刷で読むには全く支障がなく、冒頭の大島さんの高校3年の写真はきれいだし、日記の筆跡を表す写真も十分読める。しかし紙面全体がカビと日焼けで茶色に変色しており、表表紙の見返しの一部が破けてしまっている。その破けた見返しに霧のように白くもやがかった林の中に一人たたずむ少女の写真が使われていて、いかにも時代を感じさせる。
二人の物語は今も語り継がれていくべき気高い愛情を表しているが、この長い月日の経過もまた決して無視してはいけないだろう。巻末に解説として主治医が病気の経過を今ではここまで公表してもいいのかというくらいに詳しく述べているが、これも時代性だろう。なお、二人の逢瀬の舞台だった阪大病院は中ノ島から千里山に移転して当時の面影はない。