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若かった日々 (新潮文庫)
 
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若かった日々 (新潮文庫) [文庫]

レベッカ ブラウン , Rebecca Brown , 柴田 元幸
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

「体の贈り物」「私たちがやったこと」に続く、レベッカ・ブラウン第3弾。男の子のように飛び回るのが好きだった少女時代、母が嫌った父を許せるようになるまでの葛藤、母の死……限りなくノンフィクションに近い13の短編小説集。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

あまりに違う二人が傷つけ合うのは必然だった―。家族と希薄な関係しか築けなかった父。夫との愛に挫折した母。物心ついたときには離婚していた両親との激しい葛藤や、初めて同性に夢中になった初恋の熱。死に寄り添うホームケア・ワーカーを描いた感動作『体の贈り物』でラムダ賞などを受賞した著者が、少女時代を穏やかなまなざしで振り返る、みずみずしい自伝的短編集。

登録情報

  • 文庫: 222ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/12/24)
  • ISBN-10: 4102149333
  • ISBN-13: 978-4102149331
  • 発売日: 2009/12/24
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 143,397位 (本のベストセラーを見る)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
家族って… 2005/1/30
形式:単行本
 自分の身を削るように言葉をつづる人がいる。そんな文章に久しぶりに出会った。本書は著者の体験が色濃く反映された短編集だ。
 厳格な祖母との愛憎半ばする関係に束縛される著者の母親は、夜中に大声をあげて目を覚ますことがある。それを目の当たりにしていたわたしも、実は自分も母親と同様に暗闇が怖く眠れず苦しむ。そんな自分と母親の脆さを再確認する「暗闇が怖い」。母と離婚した父を訪ねていくと、父はいつも軍人であったこと、悲惨な闘いを生き抜いたことを自慢したがる。だがわたしは、それが全部嘘であることを知っていて、さらに父の自尊心と強がりがわかるからこそ嫌悪感を覚える。父と娘の哀しい葛藤を描く「魚」。ほとんど年下の女の子ばかりのサマーキャンプに行った私は、夜に散歩しているカウンセラーの女性に声をかけられる。彼女は規則を押し付けるカウンセラーではなく、人間として話をしてくれた。同性への愛の目覚めを描く「ナンシー・ブース、あなたがどこにいるにせよ」。手や足といった両親とそっくりなからだの一部分をじっくり見たとき、ふとした仕草や癖、話し方などが両親とそっくりだと気づいたとき、わたしはいまもどきっとする。こうした受け継いだものへの愛憎を繊細に描く「受け継いだもの」など。
 「魚」を読んだとき、胸がぎゅっとなるようなせつなさに襲われた。「わたし」は、嘘をついている父が嫌なのではない。自分自身にまで嘘をつこうとする、父の弱さを見るのが嫌なのだ。そんな「わたし」の複雑な想いと父娘の微妙なすれ違いが、魚釣りという行為を通して描かれている。また、「受け継いだもの」では、両親が自分の体の中に息づいているという感覚や、どんなに離れていても、どんなに愛し、憎んでいても、「自分はその人たちの肉と血をわけてもらった」という感情の入る余地のないシンプルな事実を描く。それをこんなに説得力のある言葉でつづれるのはすごいと思った
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By makocci
形式:ペーパーバック
”youth”というと、通常は青春時代、もしくは10代(teenage)のころなどを指すようですが、今回は若干事情が異なるようです。
ここでの”youth”は、両親が亡くなるまでのことを指すのだと考えてみてはいかがでしょう。

この本では、両親との、必ずしも楽しかったとは言い難い思い出の数々が、その他の幼い頃のエピソードとともに綴られ、最後に両親の死と、両親から語り手が受け継いだ(相続した)性格についての叙述が加えられます(本の中ではInheritanceというタイトルの章が設けられています)。
この過程をもってして、「若かった日々」の終わりと考える。
僕はそのように受け取りました。

文体はとても静かで、さっぱりとしていながらも(入り組んだ構文になっていない)、力強さを感じます。
もちろん、英語なので、僕の語学力では細かいニュアンスまでは汲み取れないのですが。

他の作品、"The Gifts of the Body"、や"Excerpts from a Family Medical Dictionary"なども、基本的には”the end of youth”と同系列の物語と考えていいと思います。
"The Gifts of the Body"は、死を間近に控えた人たちの世話をするホームヘルパーの話。
"Excerpts from a Family Medical Dictionary"は、重病を患った母親の身の回りの世話をしながら、息をひきとるまで見守る話。

淡々とした文体が、いたずらに涙を誘うことはありません。
筆者の断固とした態度が、ずっしりと染みわたってきます。

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形式:ペーパーバック
レベッカ・ブラウンが、自らの幼少年時の思い出をつづった断章をまとめた小品集。
それぞれ独立した作品として、別々の媒体に発表されたものを後からまとめたもののようだが、題材が共通していることもあり、一つの作品として通して読んでも何ら違和感はない。
アメリカのどこにでも在るような家庭で過ごした幼少期の思い出を、平易な文章で、極力情感を抑えて書き記しているのだが、逆に得もいわれぬ哀しみのトーンが流れている。この哀しみのトーンは、いかにもアメリカ的なバックグラウンドを持ったもののように感じられる。夢、哀しみ、兄妹との思い出、彼女が手に入れたかったであろう、現実とは別の家族生活、両親との軋轢、別離、そして彼らの死。そういったものの向こうに、私は果てしないアメリカの大地、人もいない巨大で茫漠たる空間の存在を感じる。この感覚は、たとえばレイモンド・カーヴァーにも共通するものだ。
 そして彼女の、抑制された筆致は、突然堰を切ったように、荒々しい情感の噴出を見せる。彼女は、決して誰かを責めたり、運命を呪ったり、自らの不幸を嘆いたりはしない。しかし、その抑えられた感情が、身悶えるように、抽象的な言葉を畳み掛けながら、湧出する。“Description of a Struggle”は、正にそんな激しい情感を湛えた一編だ。
アーサー・ミラーの『セールスマンの死』にも通ずる、アメリカの願わしき家庭生活への叶わぬ希求、といったものを強く感じさせられた(H24.1.29)。
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