結果として、宮川先生の遺作になってしまった感がある本著。内容は、先生の半生記にとどまらず、音楽家・音楽屋との交流、自らの作品の分析、ご家族の話(「マツケンサンバ2」で時の人となったご子息宮川彬良先生へのまなざしと、奥様へのあふれる愛情が心に残る)、プロとして日本の音楽界への提言、など幅広い。特に「銀色の道」の誕生秘話となる北海道・鴻之舞時代のお話はとても印象的だ。
この本でも相変わらず軽妙洒脱・冗談いっぱいの宮川先生だが、実際、ユーモアがあるだけでなく、とても常識的で仕事に厳しいプロであり、みんなから慕われていたことがよくわかる。出版するにあたって、同級生・写譜屋さん・後輩の作曲家・先生の一番弟子・音楽出版社の方・楽団の方、そして、彬良先生、みんなお忙しいにもかかわらず、「宮川先生のためでしたら・・・」と快く取材や資料提供に応じてくれたという。お人柄がよくわかるエピソードだ。また、大将(萩本欽一)の名言にこんなものがある。「常識のわからない奴に非常識(ナンセンス)はできないんだよ。」図らずも宮川先生が飄々として冗談ばかり言っていたり、いたずら好きだったのは、真摯で常識的な感覚の持ち主だったことを表しているのではないだろうか。
最後に、タイトルにもなった「若いってすばらしい」は槙みちるさんに提供された名曲。宮川先生の追悼アルバムを筆頭に現在10作品ぐらいに収録されています。本当にいい歌なので、是非調べて、皆さん聴いてください。何より、宮川先生が一番好きだった曲なのですから。