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芸術立国論 (集英社新書)
 
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芸術立国論 (集英社新書) [新書]

平田 オリザ
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

日本再生の鍵は、芸術文化による立国にある! 人気劇作家の著者は、芸術文化行政についての論客。こころ、経済、教育等の面から芸術の必要性と、実効性ある芸術文化政策を提言するヴィジョンの書。

内容(「BOOK」データベースより)

日本再生のカギは芸術文化立国をめざすところにある!著者は人気劇作家・演出家として日本各地をまわり、また芸術文化行政について活発に発言する論客として知られる。精神の健康、経済再生、教育等の面から、日本人に今、いかに芸術が必要か、文化予算はどう使われるべきかを、体験とデータをもとに緻密に論証する。真に実効性ある芸術文化政策を提言する画期的なヴィジョンの書。これは芸術の観点から考えた構造改革だ。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 集英社 (2001/10/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087201120
  • ISBN-13: 978-4087201123
  • 発売日: 2001/10/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 76,020位 (本のベストセラーを見る)
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19 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
演劇界きっての理論派論客である平田氏が、平明な文章と明快な論理で芸術文化活動による地域再生の提言を行っている。世間からは希少動物のように、あるいは自分たちの枠に閉じこもっているとみられがちな演劇人であるが、堂々と「社会に対して開かれた演劇・文化論」を展開しており、演劇シンパとしてはおおいにエールを送りたい。緻密に計算された文章構成は職人芸というにふさわしく飽きることがない。地域の文化行政官への暖かくも厳しい提言や演劇に関わろうとする若い人たちへの実務的な知識の提供など内容的も豊富で、新書版ながら読み応え充分である。真に豊かな社会とは何か、人間同士の交流と成長とは何か考えさせられるところの多い好著。
このレビューは参考になりましたか?
31 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:新書
今の日本は働き盛りの中堅世代が買いたいと思うものがない「文化不況」の状態である、という観点が面白い。また、「生きる智恵」を学ぶ場としてワークショップをとらえ、教育への寄与を考える。文化行政に予算を取るために、地元の反対議員を説得するという状況を模した、ディスカッション形式のアートマネジメントの講義例もクリエイティブだ。

しかし、芸術の本当の魅力を伝えることから認識を変えようとするよりも、芸術に「公共性」があるという前提での効用論に偏っているきらいがあるだろう。劇場建設や予算確保の必要性を行政を相手に理屈で訴えるよりも、市民一人一人が本当に芸術に魅力を感じる土壌を築くことが先決に思える。

アメリカは一般市民や企業が文化に寄付をする国だし、フランスは官僚自身が文化支援者である。これは、文化への「理解」というレベルの理屈の問題ではなく、支援者自ら芸術を「愛好」しているという状況であって、一朝一夕に出来上がったものではない。ほかのことよりも自分の好きな芸術を優先できる感覚は、個人のあり方とともに、社会の成り立ちそのものの違いでさえあるだろう。

「芸術とは何か」という美学的な根本問題が解決されていない現在の状況で、芸術の効用を公的に訴えても理論的裏付けに弱さがある。日本でいわゆる「芸術」が興隆しないのにはそれなりの理由もあって、どこかに一般市民のためらいがあるからだとは言えまいか。その市民感覚と素で向き合ってきたのは、これまでの日本では伝統芸能やポップカルチャーだった、という現実を真摯に受け止めることから次の段階が始まるのだと思う。

このレビューは参考になりましたか?
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By テツ
形式:新書
この本は文化政策についてあれこれ書いたものである。
「あれこれ」というのはそれだけ「言いたい放題だなぁ」という印象だったからである。
芸術保険制度なんて保険の意味をわかってるんだろうかとか思ってしまう。

けれども、この本は芸術家自身が
芸術家として声をあげたものとして十分に評価できる。

つまり、自ら声をあげることが重要なのだというのを
実践しながら示したと思う。

その自ら声をあげる時に
必要なタームとして彼は「公共性」というのを選んだ。
時に、ぶれているように思える場面もあるが
こうやって自分にとって(つまり芸術家にとって)必要な
交渉のための言葉を提供したことに意義がある。

公共性は、効用と重なるように見えるが、違うものだろう。
彼は効用以前の、開かれた場として公共性を考えている。

そして、より重要なことはこの公共性が
需給関係の曖昧さとも関連していることで
(この点で概念はぶれているものの、しかし、)
効用とは積極的に違う概念となりえているのである。

効用は別に目的があり

それ自体は手段とされているようなものの属性であるが
その場合、需給関係は本来的に明確なものとなる。

しかし、芸術は鑑賞者が
積極的に制作者に転じる可能性を持っているし
それを支援することで需給関係は曖昧になる。
その時に芸術が持つ公共性は
市場から切り離された状態で論じられることになるだろう。
人は自然にそれを欲するのだということで。

書いてあることが有用かというと怪しいが
十分に刺激を与え、先に開かれている本だと思う。

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