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芸術の陰謀―消費社会と現代アート
 
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芸術の陰謀―消費社会と現代アート [単行本]

ジャン・ボードリヤール , 塚原 史
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ハイパーリアルになった、クールで透明でコマーシャルメディア的な世界で、芸術はいったい何を意味するのか? 「現代アートは、自分は無価値・無内容だ!と叫ぶのだが、実はほんとうに無価値・無内容なのだ」。この装いと気取りをボードリヤールは「芸術の陰謀」と名づける。
ダダやシュルレアリスムなどの実験の果てに、文字どおり「無」になってしまった現代アートが、ことさら「無」を装って意味ありげに見せているという「陰謀」。そして美術市場の高騰。このボードリヤールの痛烈な批評は、今日の消費社会とアートの状況を鋭くえぐり出している。

内容(「BOOK」データベースより)

いまや芸術は「無価値・無内容」なのか?ボードリヤールによる挑発的現代アート論。

登録情報

  • 単行本: 209ページ
  • 出版社: エヌティティ出版 (2011/10/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4757142773
  • ISBN-13: 978-4757142770
  • 発売日: 2011/10/12
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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By Mayakob
「芸術の陰謀」は、1996年に発表された短い論考(本書内13頁)だ。
ウォーホール以後の現代美術の有り様を人類学的視点から、消費社会/コマーシャル・メディア的社会のシステムの一部として論じている。
芸術は自ら「無価値・無内容だ」と叫ぶことで、本当はそんなはずはあるまいと考える素朴な一般人を取り込み、共犯関係におく。
つまり、現代アートを理解できない人やそこに理解すべきことは何もないことが分からない人の後ろめたさにつけ込んで芸術は存続している。
そのような遣り口こそ<芸術の陰謀>であると。そして、実際に「現代芸術は無価値・無内容である」と言い切り、
現代美術シーン(業界)に足蹴りをくらわせボロクソに批判、そして挑発。
(後のインタビューでは、この論考は少し性急すぎたとも言っているが。)

この衝撃的な現代アート論は、発表されるやいなやフランスさらに国際的にも物議を巻き起こした。
本書は「芸術の陰謀」の他に、この論考に対してのインタビュー記事が4本。さらに、「芸術の陰謀」に関連する現代アート論、
そして訳者である塚原史氏によるキーワード解説によって構成されている。
長年ボードリヤールの著作の翻訳を手がけてきた塚原氏だけに、丁寧な解説で、
メタファーや独自用語を多用するボードリヤールのテキストの理解を助けてくれる。

 おそらく誰しもが一度は首をかしげたことがあるだろう現代美術シーン、例えば、
テクストは意味ありげを気取っているが陳腐で外注丸出しの作品や、現代美術品として数億円で取引されているフィギア、
投機対象としてオークションを賑わせる絵画やオブジェたち、プログラミングによるゲーム感覚のインタラクティブ作品
(展示会場ではシステムトラブルで作動していない場合も多々ある)、
さらにそれらを<現代芸術>として受容してきた自分自身を思い起こせば、
ボードリヤールの論考は極端ではあるが、まさにその通りだと言わざるを得ない。

 金融システムの破綻によって資本主義と消費社会自体の内部崩壊があらわとなっている現在、
現代芸術シーンもまた、リーマンショック以前のバブル的状況からは変化しているものの、
自閉的なハイパーリアルの世界で浮遊する<現代芸術>の状況は、根本的には何ら変化していない。
 芸術は、復古主義や過去へのノスタルジーに浸るのではなく、新たな価値を創出することは可能か否か?
「芸術の陰謀」は、現代社会における芸術の曖昧で詐欺的な存在のあり方を暴きだすことで、根源的な次元への再考を促す。
ボードリヤールの著作『不可能な交換』、『完全犯罪』、『悪の知性』と合わせて読むと、より一層思考が深まることだろう。
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