暫くレミオロメンの曲から遠ざかっていました。応援ソング的な歌詞を、オブラートに包む事なく真っすぐに表現する最近の楽曲自体に、いささか稚拙な印象を抱いて違和感を感じて。その生真面目さが彼らの持ち得る最大の良さでもあるけれど、何でもストレートに伝えれば感動するものでも無いし、もう少し年相応の深みのある歌が聴きたいと思っていた。
そんな時に発売されたこのアルバム。<花鳥風月>のタイトルと素朴なジャケットを見た時、微かに胸が高揚した。そして期待は裏切られる事なく素晴らしいアルバムだった。
シングルカットされた楽曲よりも遥かにアルバム収録曲が秀逸。【君は太陽】【大晦日の夜】をはじめ、タイトル曲の【花鳥風月】が本当に良くて心に染みる。日本の四季折々の儚さ、美しさを描写した詩に暖かみを帯びた美しい旋律…ありきたりな表現ですが、間奏に続くエンディングのメロディーが素晴らしい。季節の移り変わり、日々の移ろいが日本美を纏い情景として目に浮かぶよう。【春夏秋冬】を越えたALL SEASONで聴ける秀曲です。
【Starting Over】や【恋の予感から】などは、やはり詞がストレート過ぎる感は否めないけど、“後悔のないように…”(君は太陽)と二回繰り返す所など初期を思い起こさせて微笑んでしまう。
特筆すべきはサウンドのスタイル。
今回は全体的にシンプルな作りで、ギターの音が際立って聴き取りやすく3ピースの魅力が戻って来た感じだ。【ロックンロール】【花になる】などレミオ特有の印象的な(幾分ユニークな)テイストが顕著に表現された楽曲が異彩を放っている。自分たちの持ち味を模索して練り上げたと思われる楽曲たちは、しかし伸びやかで明るく爽やか。前向き過ぎず苦味もある。日本の和、花鳥風月の魅力を絶妙に表現してみせた。
やはりレミオロメンの音楽を好きだ、と思う。彼らから匂い立つ〈山梨〉の自然の香りに心から魅了される。きっと東京にいてもN.Y.にいたとしても、レミオロメンの作る音楽にはいつも故郷の暖かさと素晴らしさが滲んで、これからも日本の良さを体現してくれるだろう。