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花街 異空間の都市史 (朝日選書785)
 
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花街 異空間の都市史 (朝日選書785) [単行本(ソフトカバー)]

加藤 政洋
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

 都市の繁栄の中心に、常に寄り添うように存在しながら、「語られざるもの」「隠されたもの」として歴史の隙間に埋もれていった<花街>。往事の繁栄もいまいずこ、もはや痕跡すらとどめていない場所も多いが、その「配置」や「来歴」には、時の権力者の意図がくっきりと刻印されていたりもする――全国100都市に及ぶ現地研究が、「遊郭」や「色街」とも違う、その隠された歴史、都市形成に果たした役割をあぶり出す。

内容(「BOOK」データベースより)

都市の繁栄の中心に、常に寄り添うように存在しながら、「語られざるもの」「隠されたもの」として歴史の隙間に埋もれていった“花街”。往時の繁栄もいまいずこ、もはや痕跡すらとどめていない場所も多いが、その「配置」や「来歴」には、時の権力者の意図がくっきりと刻印されていたりもする―全国100都市に及ぶ現地研究が、「遊廓」とも違う、その隠された歴史、都市形成に果たした役割をあぶり出す。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 326ページ
  • 出版社: 朝日新聞社 (2005/10/7)
  • ISBN-10: 4022598859
  • ISBN-13: 978-4022598851
  • 発売日: 2005/10/7
  • 商品の寸法: 18.4 x 12.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本(ソフトカバー)
知っているようで知らない花街。行ってみたいが敷居が高く行く勇気もない。

結局、本で読むしかなかったが、これまでのものは主観的な本が多く、

やたら物語性やドラマ性にあふれすぎ、神秘性ばかりが強調されてきた。

本書は、都市研究の立場から冷静にかつ丹念に花街の歴史を調べ上げたもので

あり、そこから都市に渦巻く人間の姿や都市の役割を浮き彫りにする。

ここまで客観的に調べたものはこれまでなかった筈だ。読み応えがあった。
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16 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
近代都市研究の新たな傑作が登場した。
筆者加藤氏は、『大阪のスラムと盛り場』(創元社)で、都市が近代化するなかでひっそりと消し去られていった「悪所」や「貧民」たちの生きられた空間を追跡している。

今回世に問うたこの『花街』も、都市の近代化によって生み出された空間をあぶり出そうとしている。加藤によると、「花街」と聞くと、春を売る「遊廓」を想起する人が多いのだが、本書で注目する「花街」は概念上は「遊廓」とは別個の「芸」を売る芸妓たちの空間である。だから、本書のタイトルを聞いて「遊廓」を求めてはいけない。

本書でまず、加藤は地図を用いながら目に映ずる可視的な空間としての花街を提示し、それが近代の都市空間の生産と結びついていることを分かりやすく説いている。本書が「歴史地理」を掲げるゆえんの一端とも言えよう。その後、大阪、神戸、鹿児島などの具体的な花街の様相が提示されていく。これを通して、わたしたちは近代都市の中で生み出され、消えゆく空間へと誘われ、想像することになるのである。

都市空間にたしかに存在したにもかかわらず忘れ去られていった人々、それを取り巻く社会状況を露わにする加藤の姿勢は、前~~著から一貫している。そこには、政治的権力も介在する。加藤の研究に、かつて社会学者吉見俊哉が『都市のドラマトゥルギー』で見せた視点を感じる。難を言えば、文章は上手いのだが、上手いが故に言い回しが少し難しいところだろう。しかしそれを上回る内容となっていることは請け合いだ。

花街は、芸を売る芸妓であり、春を売る娼妓とは別物であるが、本書の端々には、そうした概念上の区分を乗り越え、両者が混在する曖昧な部分が存在することが窺える。次作にはいわゆる「遊廓」をもあぶり出すのだろうか。今後に期待したい。

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By 青ち
形式:単行本(ソフトカバー)
「花街」と聞いて何を想像するだろうか。

いわゆる風俗街のことを思い浮かべるかもしれない。その場合、遊郭・娼婦・売春といった言葉が連想されるだろう。

もしくは、江戸時代以前に遡る芸妓や芸事の伝統(例えば京都祗園のような)を連想するかもしれない。

それらのイメージが本書で論じられている「花街」とまったく無関係だというわけではない。しかし多くの「花街」は、いわゆる「遊郭」とは別個に、近代の都市形成と密接に関わる「街のインキュベーター」として作り出され、そして消えていったと位置づけられる。東京・大阪・神戸を主な事例として語りだされる「花街」の形成史は、そのままそれぞれの近代都市としての形成史であり、都市開発を考えるにあたって見逃されてきた一側面が鮮やかに描き出されている。「花街」に対する評者の従来のイメージも、その多くが思い込みに過ぎなかったことを教えられた。

要するに、本書はあくまで著者の専門とする文化地理学・都市史の本であって、風俗ライターのレポートや性暴力・人権問題といった側面からアプローチする研究とは相当に趣を異にする。その点については誤解なきよう。

いずれにせよ、近代都市の形成や近代の日本社会を考えるにあたっては参考になるところの多い、なかなかの良書である。
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