谷崎のように淫靡で、乱歩のように猟奇。香り高い文章で告白される妄想系文学の誕生。
・・・まず、この帯文だけで食指をそそられる。残念ながらこの作者についての詳しい情報を持たないが、どうやらその傾向は、作品によって、それぞれにまったく違うもののようだ。しかしこの作品を読んだ後となっては、言わずにはいられない。
「どうか、この手の作品をもっと書いてください!!!」と。
それほどまでに、面白かった。格調高く乱れ狂う文体、まさに谷崎の淫靡と乱歩の猟奇を併せ持つ快作〈怪作?〉だ。短篇と呼ぶには長めの四つの物語が綴られている。桜、向日葵、秋桜、寒牡丹・・・それぞれの四季を彩る花々と、それらの象徴であるかのような妖しき女たち。そのどれもが幻視に満ち溢れている。陶酔と禁忌のフルコースに溺れてしまいそうだ。