父親から相続した古いアパートの管理人になったアラフォー女子の茜が主人公。
昭和の香り漂うこのアパートには個性的な人ばかりが入居しており、人間だけにとどまらず幽霊や猫までもが集まってくるヘンテコなアパート。
住人1人1人と茜が触れっていくほのぼのほんわかな雰囲気が三浦しをんさんの「木暮荘物語」を思い出させます。
あれもアパートを舞台にした連作モノでしたもんね。
住人の誰が主人公になっても面白いんじゃないかってくらい、みな個性的。
どこかぬけていて、でも愛すべき人たち。こういうゆる〜い感じって大好きです。
中島京子さんならではの空気をしっかりと感じられます。
疎遠になって父がこのアパートで、この町で、どういうふうに暮らしていたのか、
茜はまるで今でも父がここにいるように父の存在をリアルに感じながら日々を送ったのだと思う。
お父さんの幽霊はきっとここにいて、住人たちを見守っている。
なんだか、いつまでもいつまでも彼らの生活をのぞき見ていたような心落ち着ける作品でした。