安倍晴明の5代目孫、安倍泰親が新米女官の玉響と事件を解決する平安絵巻物、というふれこみと表紙絵の雅な華やかさに惹かれ購入したが、内容はああやっぱりさちみんだ!と変わらぬさちみんテイストに安心し、おどろおどろしい平安時代の怨霊退治物かと期待していた気持ちがやや残念な気持ちになった。
さちみん先生はやはり人情物が得意なんだなぁ。親子の愛情をテーマに、現代にも通じる悩みを就職や婚活に絡めて赤裸々に描き出す、でも物語が重くなり過ぎないように、終始丸顔に寸足らずのコメディ絵を乱発し、あわよくば主人公カップルの恋愛に持ってっちゃおうという展開だ。
短編が3作品、どれも連ドラ時代劇のように人情味に溢れているが、最初と最後はコメディ路線でほっとさせられる、優しい作品である。
主人公の玉響は平安時代の女官らしい所は欠片も無く、下女のように洗濯はするし、大暴れして悪霊を退散させたり出来る、非常に活動的で直情型な女性であり、そんな一風変わった女性でないと、晴明を超えるという陰陽師、泰親の相手は務まらないのではないか、と周囲に思われる程の黄金カップルのようで、早く2人の恋愛編を読んでみたいと思うのだが、鈍感カップルではそれも難しいのか。
1話完結物なので、続きがいつになるのか分からないが、細く長く続いて欲しいと思う。