特に目新しさはないけれど、昔のファンタジー小説の良さを思い出させてくれる名佳作。
伝説の竜、長い旅路、愛する少女のために力を求める少年、そして切なくじんわりとしたラスト。。。マジでラスト良かった。別離に付き物の何か納得できないような感じはまったくありませんでした。ある意味、究極のハッピーエンドともとれないこともない。
だって、世界を分かつとも、二人の心はずっとお互いだけのものなのだから。
小説化もされている昔のファンタジーゲーム「エメラルドドラゴン」や「ルナ」を想起させる純粋で美しい成長のストーリーは、溢れ返る蔵書の中でもずっと傍に置いておきたい気持ちにさせてくれました。
何よりも主人公二人が、人間らしいのが良かった。
醜さ汚さと向き合い、懊悩しながらも尚まっすぐに清くあれと、失ったものは多くともこの世に挽回できないことなどないのだと。二人の生き方がそう教えてくれました。
ちょっと気になったのは、エパティーク側の気持ちの書き込み不足。
人の成長や恋心を促すには、エピソードが足りないかなという気はしました。今までの人生十数年分の姫としての矜持や高慢さは、そう簡単に変わるかなぁと。
まあ、もともとの資質が聡明で賢い子だったのかもしれませんけどね。
続刊もあるようなので、読むのがとても楽しみ。