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花嫁人形 (創元推理文庫)
 
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花嫁人形 (創元推理文庫) [文庫]

佐々木 丸美
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

父と母、そして四人の姉妹。幸福な家庭の中で、血の繋がらない昭菜だけは教育も与えられず、孤独に育った。叔父の壮嗣は陰で時々優しくしてくれるが、皆の前では末娘の織ばかりを可愛がる。孤児という境遇と許されぬ恋に苦しむ昭菜は、ある事件をきっかけに、新たな秘密と罪を背負うことになる。血縁と企業が絡んだ宿命に翻弄される人々を描く、『雪の断章』『忘れな草』姉妹編。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐々木 丸美
1949年北海道生まれ。75年『雪の断章』でデビュー。77年『崖の館』を発表、抒情と幻想を湛えた独自の作風で人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 291ページ
  • 出版社: 東京創元社 (2009/3/31)
  • ISBN-10: 4488467067
  • ISBN-13: 978-4488467067
  • 発売日: 2009/3/31
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 296,236位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
「雪の断章」から続く『孤児シリーズ』(勝手に名付けた)の第三部。シリーズ前作までに名前だけ出ていた三人の少女の最後の一人の運命が語られる・・・。

本書の主人公の孤児の少女は、前作までの二人よりさらにひどい境遇で暮らしている。学校に通わせてもらえず、10代半ばまで字もまともに読めずに育ったのだから。今まで以上に応援してあげたくなります。

シリーズ前作まではわずかながらもミステリの味付けがしてあったのに、本書はほぼ恋愛小説。強いてあげれば少女とはいえ一人の女性、心が寒くなるような恐さ・女性の心の動きを見せ付けられるあたりは心理サスペンス風(かなり強引だけど)。

佐々木作品には、ある作品ではチラッと名前だけしか出てなかった人物が、他の作品では重要人物、ということが多々あります。「花嫁人形」にもそういう人が出てきます。注意して読んでください。次作を読むまでに、ほんのちょっとした名前も忘れずに。

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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hatori
形式:文庫
 「雪の断章」「忘れな草」に続く孤児シリーズ3作目。飛鳥、弥生と共に継承権を与えられた少女・昭菜と本岡家の人々の物語です。本岡家といえば「雪の断章」に登場した奈津子さんの家ですが、昭菜が暮らすのはその従姉妹たちの家庭、いわば敵の本拠地です。

 創元推理文庫の一冊ではありますが、殺人事件も名前のトリックもなく、推理らしきものはありません。家同士の確執と姉妹たちの愛と悲恋のもつれが描かれるこれはほとんど昼ドラの世界。ミステリーとしては残念ですが、昭和の名家を舞台にした悲恋の人間関係ドラマと思えば勢いのある展開で面白い小説です。
 佐々木作品は互いに世界観・人物を共有していますが、今作では孤児シリーズの他の重要人物もちらほら姿を見せ、意外な交流も見られました。特に昭菜の初めての友達はちょっとびっくりする人々です。

 孤児の昭菜に負けずドラマチックな人生を送る少女たち。次から次へと事件が起こり、筋自体も良く出来ています。読者を選ぶという佐々木作品の中でも読みやすい一冊だと思われますので、入門としてもぜひどうぞ。
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10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 古い作品を読み始めた時には、その時代設定が一体いつなのかということをまず考える。それは社会制度や科学の発達具合によって、物語自体の位置付けが違ってくるからである。

 この作品は昭和54年に上梓されたもので、物語の設定年代はおそらく戦後以降当時より少なくとも数年以上は以前である。でなければ、文庫裏表紙の作品紹介にある「読み書きさえとりあげられ、大人たちの打算にもてあそばれるみじめな孤児」の説明が現実味を帯びてこない。まずはそのように意識して読み進めなければ、この物語のヒロインが置かれた立場の悲惨さが、そもそも理解不能になってしまう。なぜなら現代社会の一般常識では「ありえない」からだ。設定上、無理があるというか、特に登場人物を巡る企業の在り方などは、誡明不足も否めないように思うが、飽くまでこれは無垢な少女の「愛の物語」であり、その点には目を瞑るべきか。

 その出自の秘匿性の所以で大人たちの打算にもてあそばれるヒロインが、自らの意志で禁じられた愛を選択するまでの物語に、様々な人物模様の愛憎がアラベスクのように織り成される。著者の独特の詩的な言い回し・文章構成は、現代のエンタテイメント小説に慣れ親しんだ読者諸氏には、読み辛い向きもあるだろう。しかし物語とは別に、この日本語の美しい響きを是非堪能してもらいたいと思う。

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