週刊文春1986年 国内1位
昭和7年の横浜。18歳の美津と17歳のふみが遊郭に売られてやってきた。やがて娼妓として働き始めた美津は、客を刺殺し、服毒自殺を図ってしまう。
公娼として年齢がいかず下働きをしていたふみは、美津の無実を晴らすべく、ひとり捜査をおこなうのだった ・・・
当時の職業婦人としての公娼の世界が、丹念に描かれていて、なかなか興味深かった。逃げ道がなく退廃的な遊郭という舞台で、親友美津を思うふみの健気さが、よりいっそう痛々しい。事件は、驚きの真相なのだが、伏線が張られていても、予想は難しいだとろう。そもそも本作品は、風俗や、人物の描写がとても良いのだけれど、ミステリーとしての完成度も、高いと感じだ。文章もテンポがよくって、一気に読了できる。救いのないものがたりではあるが、ラストのふみの決意が清々しい余韻を残す。
が、このタイトルはちょっと。花園の迷宮というタイトルから耽美系を想像して、なかなか手が出なかったんだよなぁ。