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5つ星のうち 5.0
散るよりもなほ・・・。, 2006/6/14
レビュー対象商品: 花よりもなほ 愛蔵版 (初回限定生産) [DVD] (DVD)
何度話をしても絶対にかみ合わない相手というのはいる。 どっちが良い悪いではなくて「違う」から「わからない」のだ。 仇討ちのために江戸に出てきて二年半、剣術の拙さももちろんだが、 見つけた仇が、今や平凡で幸せな生活を送るのを敢えて討つという 意味を模索し苦悩する主人公・宗左衛門に岡田准一がなりきり、 まさにはまり役。しなやかさと強さを兼ね備え、見えない苦悩を 抱えた未亡人おさえを演じる宮沢りえも美しい。 古田新太はじめ、長屋の住人たちなど、印象に残らない登場人物は ひとりもいないのだ。 仇討ちはもう諦めたかと思えば、時折見せる鋭い表情に やはり決行かとハラハラさせられる。「散りぎわは桜のように」が 武士の美学だが、その死に生を超える尊さがあるのかと 引き止めたくもなる。「仇討ちを」という父の遺言を 唯一の形見と言う宗左に「憎しみだけが形見ではないはず」 と諭すおさえの言葉が印象的。 武士として生きている人間と、そうでない世界観を知ってしまった 人間とでは違いすぎるが、その垣根は案外簡単に超えられるものだと 物語の端々に描かれていて、その自然さも心地よい。 派手さがないこの作品の、一貫した穏やかな空気感を 面白くない人にはまったく面白くないと映るかもしれない。 だが、好きな人はかなり好きだと思う。もちろん自分は後者だ。
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5つ星のうち 5.0
DVDでまた幸せ。, 2006/8/5
レビュー対象商品: 花よりもなほ 愛蔵版 (初回限定生産) [DVD] (DVD)
この作品、劇場に足を運んで観ました。 キャスティングの妙というか、岡田クンや宮沢りえはもとより、脇を固める人たちがイイ! 古田新太やキム兄ィ、上島竜兵、寺島進なんて、もういるだけで面白い。 香川照之も手アカとか汚れとか、臭いそうなくらいキッちゃない。 田畑智子の可愛らしさや夏川結衣の艶やかさも作品に色を添えてます。 (...それにしても、宮沢りえはキレイだねぇ。) でも、そんな中でも岡田クンは決して埋没せずに存在感がある。 時折見せるギラギラした目など同性ながらゾクッとしてしまいました...(危) それと、長屋周辺がオープンセットなですが、これがまたリアルで隅々まで気を使ってる。 アップでも引きの絵でもゼンゼンオッケー。 また、光と影のコントラストが素晴らしく、あぁ、江戸時代の夜って こんな感じっだたのかなぁと、ホントにその時代に撮ったような (言い過ぎ?)ナチュラルな感じでした。 映画全体に漂う心地よい空気をDVDでまた体験できるなんて、幸せです。
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5つ星のうち 4.0
“もののふ”としての古いしがらみを捨て、宗佐は進化した, 2007/1/17
僕はこの映画で、亡き父親の似顔絵を見せてくれた進之助を宗佐が思わず抱きしめるシーンがいちばん好きです。このシーンで宗佐は父の仇を殺してはいけない(宗佐の剣の腕では殺せませんが)と悟ったのでしょう。進之助の父親も仇討ちにあって殺されたことを知ったからです。 宗佐の仇(浅野忠信)も妻も子もいるささやかな幸せな毎日を送っている普通人の身。弱いがゆえ、だからこそ人一倍優しい宗佐は、父の仇とはいえそんな相手から幸せを奪う気にはなれなかったのだと思います。 だから宗佐の考え出した“仇討ち”のやりかたはとても良いアイデアだと思いました。この仇討ちなら上手く行けば誰も不幸にならずに済むし、長屋の連中の今後の生活も安泰になるのですから。 宗佐は初めは“もののふ”(武士)としてのしがらみと、仇を討つにはあまりに不甲斐ない自身の剣に葛藤しますが、それを長屋の面々や叔父の温かい理解のもとに克服し、成長し、最後の“仇討ち”を経てついには古い“もののふ”の価値観からも脱却を果たすのです。立派な、立派ないち青年の成長物語です。 宗佐の良き理解者、おさえ役の宮沢りえも素晴らしい演技です。
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