「一人で森を歩いていると、ふと森に見つめられていると感じることがある」星野さんの写真・エッセイには、こうした思いが通底しているようだ。可憐な花の写真の数々。でも、どの写真からも、ファインダーを向けた星野さんを見つめている、植物の目が確かに感じられる。いわゆる目もなく言葉も持たないけれど、植物も人も根本的には同じなのだろう。そして植物も人も、それぞれに違っている。
星野さんは生物多様性を、人間社会の文化の多様性と同じだと書いている。画一性は「精神の荒廃」を導き、いろいろな生き物の存在が「何よりもぼくたち自身をほっとさせる」とも。
ポケッタブルなのに大切なことを静かに語ってくれる、大きな大きな思索の書。