第1巻は「食べることはセックスと等価だ!」という原作者の意図が全面に押し出され、ヒロインが料理を食べた時の恍惚とした表情のセクシーさが異様なまでに突出している作品だった。しかしこの第2巻ではそうしたエロ要素が大きくトーンダウンしている。これは明らかに路線変更だが、理由は作品の長期化にあると思う。同じ原作者による「孤独のグルメ」の女性版のようなコンセプトで始めた作品が、キャラクターを取り巻く生活のドラマを描く方向に舵を切り直したのだ。
それを証明するように、今回からは登場キャラクターが増えていく。大学時代の友人ウッチーとガスケツがそれだ。この人物を入れたことで、物語の中にヒロインの過去と現在という縦の軸ができるし、ヒロインのいないところで彼女が直接語らないさまざまな裏事情を語るという横の軸が出来上がる。親友のミズキは結婚し、やがて子供が産まれるだろう。ヒロインはこれまで1話完結型の「静止した時間」の中で生きてきた。それは「サザエさん」や「ドラえもん」の世界と同じだ。しかしこの第2巻で、ヒロインを取り巻く世界は時間に沿って動き出す。ヒロインは物語の中で30歳から31歳になり、これからも連載が続く限り年を取っていくことになる。
そんなわけで、第1巻とはまったく別コンセプトの作品に生まれ変わった第2巻。1巻のエロチック路線が気に入っていた人は物足りないかもしれないが、1巻の1話完結路線に物足りなさを感じていた人には充実した内容になっていると思う。僕自身はエロ度が少なくなったことに寂しさを感じつつ、これが作品としての正常な進化であろうとも思うのだ。これはこれで楽しい。3巻もたぶん買うだろう。