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花と龍〈下〉 (大衆文学館)
 
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花と龍〈下〉 (大衆文学館) [文庫]

火野 葦平
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

喧嘩と暴力が日常の沖仲仕の上にも、近代化の波は押し寄せる。巨大資本による石炭積み込みの機械化が企てられ、若松港で玉井組の親方となった金五郎は、荷主側との交渉に身体をはった。争議、脅迫、奸計、ヤクザとの生命をかけた抗争…。時代の激流と沖仲仕の独特な信念がひきおこす事件の連続のなかに、明治の男と女の豪放で繊細な交情を鮮やかに定着させた、痛快無類、興趣抜群の自伝的長編。

著者紹介

明治40(1907)年福岡県若松生まれ。本名玉井勝則。早大英文科中退。10代から文学に傾倒、早大時代には中山省三郎らと同人誌で活動する。だが、若松港の沖仲仕のリーダーだった父を助け、沖仲仕労働組合の幹部として労働運動へ。このとき投獄もされた。のち文学に戻り昭和13年『糞尿譚』で芥川賞受賞、さらに日中戦争から材を得た『麦と兵隊』などがベストセラーに。戦後、一時追放されたが『花と龍』『革命前後』等を発表。昭和35(1960)年、自ら命を絶った。


登録情報

  • 文庫: 445ページ
  • 出版社: 講談社 (1996/01)
  • ISBN-10: 4062620316
  • ISBN-13: 978-4062620314
  • 発売日: 1996/01
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 678,185位 (本のベストセラーを見る)
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5つ星のうち 5.0 ロマンの一級品, 2006/4/30
上下巻を読了した。わくわくするような面白さで、一ページたりとも退屈させられることがなかった。

私も炭鉱町で育ったので、特に石炭に関わる情景には懐かしい思いがこみ上げて来た。

戦後ではあるが、私たちの町にも似たような働く男たちがいて、そしておそらく、規模は小さいながらも、似たような「喧嘩」もあっただろう。

それにしても、当時の男たち、女たちは、なんと生き生きと時代と立ち向かっていたことか。

すべてを時間が流し去って、今は私の故郷にその面影は残っていない。それは作品の舞台である若松でもそうかもしれない。

この作品は、かつて争いながらも真っ黒になって働いた男たちの記念碑でもある。

作者は読者を愉しませる精神に富んでいた。そして、その才能も十分に持っていたのだ。一級品のロマンを堪能した。
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5つ星のうち 5.0 朝日新聞が守れなかった火野葦平。, 2010/6/29
By 
浦辺 登 (川崎市宮前区) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
 著者の火野葦平の父、玉井金五郎は若松港で沖仲仕の組を営んでいる。その若松港で実際に起きた沖仲氏のストライキは火野葦平が主導したものだが、全て、沖仲氏の生活保護のためだった。玉井組の若親分として采配を振っていたときに起きたストライキだが、思想的に厳しい弾圧がなされる時代にしては珍しいことと思う。小林多喜二の『蟹工船』も労働運動の小説として特筆に値するが、資本家対労働者という図式からみると、この『花と龍』も単なるヤクザの対決ではなく、貴重な実録小説ではなかろうかと思う。現代、働く人々が沖仲仕からサラリーマンに名称は変わっても、待遇改善を求めるには義理と人情の確固たる団結が必要と思えてならない。エネルギー転換によって若松港にかつての勢いは無いが、日本の歴史の一端を知るには格好の小説と思う。

 火野葦平は軍隊に入営するとき、マルクス資本論を持って入隊したことで有名である。
 敗戦後、文壇戦争犯罪人第一号と糾弾されたが、彼の作品には反戦平和の言葉しか出ていない。戦中は火野の連載小説で暴利を貪った朝日新聞が彼を守らなかったのが不思議でしかたない。
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