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花と龍〈上〉 (大衆文学館)
  

花と龍〈上〉 (大衆文学館) [文庫]

火野 葦平
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

女は広島の山間から、男は四国の松山から、時を同じくして裸一貫の旅に出た。日露戦争を目前に探え近代日本は興隆の頂点をめざしていた。門司港の石炭荷役に携っていた二人の若者は、運命の糸に操られるように殺伐たる九州の港を流れるなかで結ばれ、転変の人生をともに歩みはじめる。玉井金五郎の侠気とマンの心意気、その底に通いあう細やかな愛情。著者天性の雄渾なロマンみなぎる名作。

著者紹介

明治40(1907)年福岡県若松生まれ。本名玉井勝則。早大英文科中退。10代から文学に傾倒、早大時代には中山省三郎らと同人誌で活動する。だが、若松港の沖仲仕のリーダーだった父を助け、沖仲仕労働組合の幹部として労働運動へ。このとき投獄もされた。のち文学に戻り昭和13年『糞尿譚』で芥川賞受賞、さらに日中戦争から材を得た『麦と兵隊』などがベストセラーに。戦後、一時追放されたが『花と龍』『革命前後』等を発表。昭和35(1960)年、自ら命を絶った。


登録情報

  • 文庫: 445ページ
  • 出版社: 講談社 (1996/01)
  • ISBN-10: 4062620308
  • ISBN-13: 978-4062620307
  • 発売日: 1996/01
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 611,388位 (本のベストセラーを見る)
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5つ星のうち 5.0 痛快な物語, 2006/8/13
この作品の最大の面白さは主人公の金五郎とマンというふたりの人物の魅力に尽きると思う。

お互い自分の夢を持ちつつ信頼しあってまっすぐに生きているふたりの姿に、読んでいるこちらまで

元気になってくる。二人を取り巻く女彫り物師や港湾労働者たちも生き生きと描かれ、

彼ら魅力的な登場人物たちが暴力団との抗争などスリリングな事件で活躍する様は

勢いがあって小気味いい。読んでいくうちにどんどん話に引き込まれ、とまらなくなる。

著者の両親がモデルのようだが、痛快な物語だ。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 義理と人情は現代までも。, 2010/6/29
By 
浦辺 登 (川崎市宮前区) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
 カラオケには収まっていても、原作すら古書店街でも目にしなくなり、ため息交じりの中、復刊されたことは喜ばしい。
 たまたま、岩波現代文庫に収まっていることを知り、早速に購入した。神田の古書店でもなかなか購入できるものではなかっただけに、感無量だった。

 この小説の舞台は北九州の若松港だが、日本のエネルギーが石炭であった頃のことである。筑豊炭田の石炭は人力で遠賀川河口へと運ばれ、八幡製鉄所、若松港の汽船の燃料として重宝された。その石炭も、沖仲仕によって汽船に積み込まれていたのだが、その請負をしていたのが著者の火野葦平の実家が営む玉井組だった。その玉井組を創設した玉井金五郎、マンという夫婦の物語であり、脚色された部分もあるが、義理と人情が沖仲仕の倫理観といわれるなか、読みごたえのある内容となっている。

 この小説の中に登場する玉井金五郎の敵方の首領が吉田磯吉という大親分である。この人物、筑豊炭田の石炭を運び出す一介の人夫からのしあがった立志伝中の人でもあるが、山口組の鼻祖でもある。
 おもしろいことに、政界の黒幕といわれた杉山茂丸は子供時分、吉田磯吉を子分に従えて暴れまわっていたという。作家の夢野久作の父親が杉山茂丸になる。

 この小説は、当時の生きざまを知るに適したものである。
 ちなみに、火野葦平の甥がアフガニスタンで医療活動をしている中村哲医師である。
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5つ星のうち 5.0 港湾の歴史を知る上でも貴重な小説, 2011/12/27
By 
ST (東京都品川区) - レビューをすべて見る
日本の港運業界の歴史を知る上でも貴重な小説である。
玉井金五郎とマン夫婦が荒々しい若松を舞台に力強く生きる躍動感がすばらしい。
命を賭けて仕事を取り権益を守りながら義理と人情に厚い昔気質の日本人を読取ることが出来る。
金銭欲に駆られた現代人が失ってしまった古き良き時代の日本人を知った。
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