最近の邦画はなんとなく雰囲気だけで終わってたり、ストーリーは色々謎を含んで終わりってのがありがちですが、この作品は起承転結がしっかりあって楽しめました。描写しているのは日常の風景なんですけどね。
岩井監督独特の、まるでシフォン越しに撮ったような淡い色彩。粒子の粗いような映像。それは今作品でももちろん健在で、ふたりの女の子+男の子の三角関係を出すぎず控えず彩っています。
そんな詩的な映像ながらも、随所に盛り込まれる<笑い>。
花役・アリス役の鈴木杏、蒼井優の等身大演技が笑わせます。そして彼女らをとりまく宮本先輩やそれぞれの親といった主演以外のキャラクターも、かなりイイ味をだしています。
そして、沿線の駅名や、多数のカメオ出演、はてはショッピング袋にいたるまでちりばめられた小さな遊び。
「四月物語」にて「雨」を喜びのイメージとして演出した岩井監督に感銘を受けたのですが、今作も花のほうのクライマックスにて相反するイメージを取り混ぜ、場をいっそう盛り上げていたのが印象的でした。ネタバレになっちゃうんで詳しくは書けないんですが。
最後に。
少年と少女の話なので、大きなことは起こりません。人によっては「それほどでもなかった」という作品かもしれません。それでも私には、「人間」が面白い、「日常」が面白いと思わせる、迷わずお気に入りと言える1本になりました。いや、邦画で一番です!
やっぱ岩井俊二作品は好きだっつって!!
(しかし今どきの女の子は「ハンニバル」を見るのかぁ...)