必ずしもノンフィクションではない「おくのほそ道」の旅で、芭蕉と曾良が実際にはどういう旅をしたか、という検証の本なので、先ず「おくのほそ道」を読んでから、なので御注意を。本書の冒頭に「四百字詰めの原稿用紙ならば二十七枚半に過ぎない」とあるように、いかに「おくのほそ道」が極限まで無駄を削りに削った作品であるかが良く判ります。いやあ、僕は芭蕉以上に曾良っていう人物が好きになりましたねえ。検証するのに芭蕉と前後する時代の文献も参照しているので説得力は十分なのですが、作者自身の目による現状の記述がもう少しあればもっと良かったかな。
二人の旅は、ま、言ってみれば作品執筆の為の取材を兼ねた観光旅行なので、江戸時代の名所旧跡を訪ねる観光旅行はいかなるものであったか、という点でも非常に興味深いです。日本人は江戸時代からあんまり変わってないっすね。俳句に興味が無くても歴史と旅に興味がある人ならお進め。ルートの地図も載っているので、実際に歩いてみようという人は役に立つと思います。