芥川龍之介を作品からではなく、その歴史背景から読み取ることが出来る。アルバムというタイトルどおり、芥川の一生を概念的に追っており、その所々でのエピソードなどを交えて説明してくれている。
芥川の写真を見ると、たいていの人がその「目」に注目する。どこか病的な感じが漂うその視線を感じながら読む、このアルバムはどこかしら胸を圧迫する。
芥川の作品を読むと、どこか病的な天才を感じずにはいられないと思いながら、アルバムをめくると、その人生の中にも多く平穏な時があったことが分る。
夭逝の作家の、意外な1面を見ることができるはず。それは、作品に惹きつけられた読者の疑念。つまり「芥川龍之介とはいかなる人物であったか。」それを、自分なりに紐解く鍵の1つとなるかもしれない。
あくまでも、入り口にすぎないシリーズなので、ここで感情の盛り上がる人は更に先へ行くとよいと思う。
文末にある、丸谷氏のエッセイが面白い。