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Amazon.co.jpで購入済み
30年以上前、筑摩全集類聚芥川龍之介全集(全9巻・1,200円×9冊)を買ったのに、学生の悲しさで、本を売らないと晩メシが食えなくなって、もったいないと思いながら古本屋に売ってしまった、あの全集。2段組でそんなに読みやすくはなかったけれども、宝物のようにしていたのに(そんな大切な本なのに、売ってしまったモノに小林信彦の『われわれはなぜ映画館にいるのか』『東京のドン・キホーテ』もあったなあ)。
その筑摩の全集が文庫本になったのが、これ。20年以上買おうか買うまいか、迷っていたが、やっぱり買ってよかった。深いようで浅い、浅いようで深い、でもやっぱり深いようで浅い(のかな?)芥川の小説を50代に読み返す喜び。10代後半の印象と大きく違わないのは、ある意味ですごいと思う。自分は50代になっても少年の心を失っていないということなのか。精神の成長がないということなのか。
とにかく、映画で言えば、芥川の作品は黒澤映画と似ている。『羅生門』(中身は『藪の中』)を黒澤明が撮ったのは、偶然ではなかったのだ。
25 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
エンタテインメントとしての小説という形態、芥川はその極致なのかなと思っております。特に初期。面白くて、そしてある程度納得する処に落ちる。たとえば魔女は退治される。善きことは知られる。安心してその世界に身を浸せる感覚があります。こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが、それは時代劇やディズニー映画に浸る感覚に似ていなくもないと考えます。
但、晩期に至り作風は大きく変わります。たとえば晩年、小説『歯車』を書いた芥川は「遂に芥川が小説を書き始めた」と好意的に評されます。最初にも書いたように、わたしは小説をエンターテインメントだと思っているので、初期芥川をより評価したいと思っていますが、当時はそうでなかったようだし、現代でももちろん、そうでない人は一杯居るでしょう。
とまれ、大作家は常に生々流転、ある評価・ある立場のもとに留まることなどないのかもしれません。その流れを知る為にも全集をお薦めします。
23 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
芥川龍之介の作品はと言われて何を思い浮かべますか?
『蜘蛛の糸』が一番多く『杜子春』とか『蜜柑』が次に多いくらいでしょうか。
しかし、芥川龍之介の作品はこんなものではありません。
一度ゆっくり時間をかけて全集を読んでみるのも悪くないと思います。
短い短編なら10分とかからずに読めてしまいます。
私はやっぱり上に挙げた『杜子春』『蜜柑』が好きですね。
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