著者の末永氏は、色彩心理のエキスパートであり、アートやカラーセラピーのスクールを運営されている。
大人や子供のためのアトリエも主催されている氏の経験談と共に、映画、絵画、小説が色の視点から読み解かれていく。
命、生きようとする力を見守る
どこまでも温かい氏の眼差しが印象的だった
“元気を出すにはコレ”
といった色のハウツー本とは一線を画す奥深い内容
私は、黄色と紫の章が特に好きだ
黄色が多用されたゴッホの『寝室』
恋人ゴーギャンとの生活を夢見ていた頃に描かれた作品
結局二人の同棲生活は、2ヶ月で幕を閉じ
ゴーギャンはタヒチに旅立つ
その後、ゴッホは精神発作に苦しむようになる
-----------
そんなゴッホの晩年の悲痛さを知ると、
どこまでも輝くように描かれた”黄色い部屋”の絵には、
表面の明るさの背後に隠れた彼の底無しの闇を見るような気がする。
光が強ければ、それが生み出す闇も深く鋭い。
その闇からはい上がるようにして黄色の光を求めつづけたゴッホにとって、
”黄色い部屋”の絵は、ついに得ることのなかった人との幸せを
イメージの中で”静止画像”として永遠に刻んだ作品だったのかもしれない。
(『色彩心理の世界』p52)
------------
色のハウツー本に飽きた人、お勧めです。