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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
色、とりどり,
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レビュー対象商品: 色彩の息子 (新潮文庫) (文庫)
「好きな色」は、歳やその時の状況で結構変わるものだ。私たちは日々「色彩」に取り巻かれて生活しているのに、その事実について気付くことは少ない。本書を読了して自分の部屋を見回してみた。「私の色」は何色だろうと。本書で個人的に印象に残ったのは、恋人に先立たれた女が、真夜中の悪戯電話(彼女にとっては悪戯行為では決してないのだけれど)で繋がった少年との会話から、自分自身の生き方を変える「顔色の悪い魚(青)」と、スノッブなグループがやぼったい少女を一員に迎え、陰で彼女を嘲笑しグループの苛めの対象とするが、それを知った少女とその後の展開が意外性のあった「雲の出産(灰色)」。短編と短編の間にその話の内容を表した色紙を挟み込んだ装丁も素敵です。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
珠玉の短編集,
レビュー対象商品: 色彩の息子 (新潮文庫) (文庫)
著者の評価は様々な方やレビュアーの方が触れられているが、本当に文章が巧い。 詩的な叙情をたたえつつ透明感をもった完結な文体。 世代を隔ててはいるが、吉行淳之介氏に匹敵する文章力だと思う。 この作品集はその著者の才能が結実した頂点の一つだ。 初期作群に著者の才能のかたちは顕著に現れていたが、 その完成度はここに極まっている。 ぜひ一読を。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
色彩を通して,
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レビュー対象商品: 色彩の息子 (新潮文庫) (文庫)
まず、装丁がよい。
話によってぴったりの色紙を、短編と短編の間にはさみこんでいるのが粋である(ハードカバーでも、文庫本でも)。 そういうふうにしているだけで、本の世界が頭の中だけではなくて、実際に視覚から色を通して広がっていくから不思議だ。色紙があるとないとでは、話の読後感や印象に大きな差が出てくるのではないだろうか。 そして、話の質がよい。 山田さんは、ことばにできないとても微妙なこころのひだの動きを、誇張しすぎず的確に、描写している。時にそれは読者の心を言い当てすぎて、なんだか「痛い」共感を呼ぶ。私には灰色の章「雲の出産」がそれであった。この短編には、外見やふるまい、内面さえも愚鈍な人間を前にして、人がどれだけ残酷になり、優越感を感じていい気になれるかということがとても分かりやすく描かれている。私は自分のことを言われているようで、おろおろしてしまった・・・。 どこにでもある人の心の、ちょっとした動きを、よくここまで繊細に忠実に再現できるものだ、と感嘆する。汚い感情でさえも、色になぞらえうつくしい作品のように感じる、傑作です。
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