【良い支援?】「良い」と括れないのが支援
「大変そうだなぁ・・・」。
知的障害者や自閉症の人たちの自立生活を支援すること、と聞いて、多くの人はこう思うにちがいない。
障害者の介助、高齢者の介護は、精神的にも肉体的にも負担が大きい仕事だろう。
それでいて、安月給だというイメージがある。金銭的に報われるように見えない。
しかし、これは、介助や介護を離れたところから遠巻きに観ている者の視点かもしれない。
大変そうだから、関わらない。関わらないから、大変という側面だけを見て、思考を停止してしまっている。
「良い支援?」は、知的障害者や自閉症の人たちの自立生活と支援のあり方について、それに関わる著者4人が、それぞれの視点で語っている。
読み進めると、著者たちが、障害者、支援者、家族や地域住民などと関わりあい、さまざまな課題やトラブルにぶつかっていることが伺える。
「自立とは何か?」「支援とはどういうことか?」という問いに、日々、向き合いながら、障害者と関わっていることがよく分かる。
内容が混沌としているように感じるが、現場にいる著者たちが、自ら悩み、迷いながら進んでいる姿が、本の中身にも現れているからだろう。
面白かったのは、「当事者に聞いてはいけない」という項目。
自立生活というと、障害者(当事者)の意思を尊重することが大切になる。
しかし、当事者の意思を聞こうとして「質問する」ことは、当事者の考えや感情と異なる答えを引き出してしまう可能性があり、必ずしも適切な方法ではないというものだ。
質問は、「答えること」を強要するものであること。
質問が、どのような場面で、誰によってされたかにより、答えが左右されること。
当事者にとって、そもそも言葉によるコミュニケーションが簡単でないこと。
などなどの理由があり、質問して答えてもらうという方法が、相手の意思を尊重しないこともあるそうだ。
支援のあり方は、当事者それぞれで異なるもので、この方法が「良い」などと括れるものではない。