海洋小説の決定版といわれる『ホーンブロワー』シリーズの映画版(1951年公開)
『ホーンブロワー』は初めにドラマ版でその存在を知り、原作小説を読んで虜になりました。
私にとって、この作品の1番の魅力は主人公ホレーショ・ホーンブロワーの人柄なのですが、
この映画でもその良さが存分に表現されています。
航海術や戦術の高さに加え、欲がなく誠実で優しい人柄。感情を抑え込む癖があるなど、
一風変わった面もあるけれど、それらを含めて愛され尊敬されている艦長。本当に魅力的な人物です。
また、ヒロインのバーバラも原作同様、ホレーショの相手として相応しい、自立した強い女性であり、
かつ母親のような愛情も持ち合わせた人物として描かれていて、見ていて気持ち良いです。
そのほか、私の目を引いたのは少年士官候補生のロングレイ(原作ではロングリー)くん。
まだ子供っぽさの抜けない彼の存在が戦場の緊張感をちょっぴりほぐしてくれています。
また、そんな彼に目を配っているホーンブロワーの優しさと厳しさがたまりません。
さらに、映画版は戦闘シーンが凄い!大砲を搭載した艦同士が舷と舷を接しての撃ち合い―轟く砲声、
倒れるマスト、吹き飛ぶ木片、立ちのぼる硝煙。地獄絵図の中で命令を発し、遂行するという
海軍の凄まじさが感じられます。
1951年の作品ですので、現在と比べて映像技術の劣る面や演出の違和感などもありますが、
十分に迫力があり、楽しめるストーリーだと思います。