クック第二の航海は科学者にくわえて、ホッジスという画家が乗りこんだ事が決定的だった。かれは、歴史に名を残しはしなかったが、コンスタブルやターナーの先駆けといってもよいような仕事をしたのだ。
とくに、ホッジスの風景画がおもしろくなっていったのは気象学者ウェールズの影響による。「科学者の目が、画家においては自然を見る芸術の方法に変化したのである」(p158)。
とはいえ、著者はこの画家をそんなに評価していないようにみえる。「彼個人に才能があったというより、芸術が変容するために航海が、芸術の媒体である彼に作用した」という認識にとどめている。とにかく、クックの第二回航海の過程なかで、科学と芸術のあいだに関係がうまれ、古典主義は自然主義とロマン主義とに解体していく。それがイギリス社会のポテンシャルであったのだ。