またまた天外さん、やってくれました。科学者の視点から今度は般若心経へのアプローチを試みています。実は以前、別の方のシンプルな般若心経の本を読んだことがありましたが、正直、その本は悟りすぎていて、空の雲をつかむようで、皆目見当すらつかず、読解を諦めたことがありました。難しすぎました。
しかし!天外さんはやってくれました。天晴れです。ご自身の立場から最先端の科学知識を駆使して、宇宙や神、生きると言うことを語る姿勢は<ここまで来たあの世の科学>と何ら変わりませんが、今度はご自身のありったけの知識や経験引用して、限定された般若心経276文字の読解を試みることが本書の斬新なポイントです。宗教というデリケートな素材を取上げている為、解説や言い回しを如何に誤解を与えず一般に受け容られるように、言葉を慎重に選んで、何とか分かりやすく伝えようとしている氏の姿勢が行間から感じ取れます。一度で終わらず、終生何度も何度も立ち返っては読むべき一冊だと思います。結局は本書の最初で謳われているように、“分かっても分からなくてもいい。声に出して唱えるだけでも、心の中で唱えるだけでもいい。意味が分からなくても写経をするだけでもいい。信じられないような効果がある。”それが般若心経。こういう大雑把さを許容する深い懐も、好感を持てる要因です。これまた、良本!