古代より、航海をする際に必要になる技術として、自船や目的地の位置を知るということがある。
天文学とも大いに関係があり、時間、方位、緯度、経度、速度などの実用的測定法が必要となる。
使用するのは太陽、月、星などを元にするが、一般的な本では原理を簡単に述べるばかりで、
実際の方法との差があり、私も子どもの時に何か納得のいかない説明と思ったことがある。
ところが、この本を偶然見つけ、目から鱗がぼろぼろと落ちる経験をした。太陽の南中の方向を
測るのでも、一般的な説明で影が一番高くなったときとあるが、それでも悪くないが、この本で
紹介されている午前中と午後の影の高さが一致した点の中点を取る方が実用的であると思った。
(それもコンパスと定規のみで決定できる)。
とにかく、帆船による大航海時代での航海術の辺りの説明は素晴らしかった。やはり実務を交えた
説明は他の本とは比べようもないレベルである。GPSに至るまでが、先人達の積み上げてきた技法の
集大成であることもよく分かる。
航海術に興味のある方ばかりではなく、科学全般に興味のある方にはお薦めしたい。トピックは
狭いものの、ホグベンの市民の科学に匹敵する名著であると思う。