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むっとするような庭の緑のにおい。紫陽花をしめらす6月の雨の音。舌の記憶だけではなく、あらゆる感覚にまつわる記憶がよみがえってくるような1篇1篇。
そしてこどもとはおそるべきいきものだ、と思う。
こどもの視点で書かれた作品を好まれる方には特におすすめしたいです。
微熱体質で食が細い少女の舌の記憶。ひっそりした声の母や女優の伯母に囲まれた昭和30年代の暮らし。雨の気配、雪のにおい、白熱灯のあかり、毛糸をのばす湯気などが自分の記憶と入り混じり、高熱の額を冷やした窓ガラス越しに見た光景のようにも思えてくる。
美しい装本だし塩田雅紀さんの絵もいいが、構成にはやや違和感がある。たった4つ(春夏秋冬)に
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