ハイエクが最晩年に執筆した本。ここでも進化論的アプローチで社会主義と市場秩序の道徳の差異・その起源・発達を論じている。
伝統は本能と理性との間にあるもの。それは本能的要求を抑制して、自由の達成に役立つ。人間は学習すべき伝統があったから知的になったのであり、人間がその周りの世界を望み通りにつくることができるという考え方は「致命的な思い上がり」である。「個人的所有」や交易や貨幣など、知識と認識の限界を超えて人々の共同を秩序づけるものについて論考(金儲けへの嫌悪は、なぜそれが価値を生むのかわからないから(!))を加えていく。間違った用語法(「イタチ言葉」)では決して真理に辿りつかないこと、人が多様である限り人口増加は秩序に対する脅威にはならないこと、伝統をうむ可能性のあるものとして宗教があり得ることなどが議論されている。
他の本との重複が多い&逆に昔の著作参照としてすっ飛ばしてるとこも多いので星4つ。初めて読む人は辛いんでは。最初は『個人主義と経済秩序』から入るといいんでないかな。