著者ドナ・ウィリアムズは、オーストラリア生まれだが、成人後いくつかの旅を終えイギリスで現在は暮らしている。 彼女は、幼い頃から自分が『普通』ではないと違和感に苦しみながらも前向きに生きていた。自分が実は高機能自閉症だと気づかないまま。 映画「レインマン」で、自閉症の理解が数年分進歩したと言われているが、本書は更に自閉症者自身の『世の中』の見え方だったり、障害の判別は未だかって混沌とした状況ではあるが、『最愛の人』、『特別な絆で結ばれた人』として綴られているアスペルガー障害(症候群)のイアンとの生活を取り上げた手記として、自閉症やアスペルガー障害(症候群)の当事者が結婚や同棲(あまり、恋人という意味では使いたくない言葉だが)にどう向き合い、それぞれのパーソナリティがどう生き生きと育んでいけるのか、という人生の課題について一つの答えを出してくれた作品となった。 続編もできれば、同じ訳者で新潮から出して欲しい。 それにしても、ふたりの世界はとてもドラマチックだ。ハリウッド映画化するのはいつのことだろう…。