他のレビューにあるように、全体としてはとても読みやすく、旧軍時代のエピソードをもとにしながら今にも通じることとして述べられている「広報の重要性」や「社会的「不規弾」」に関するコメント(詳しく本書を読んでください)、「よど号事件」の生々しい現場での様子等興味深い話が盛り込まれており、一読の価値あり、だと思う。
しかし、タイトルにある「自衛隊の情報戦」を知りたくて、これから購入を考えている方々に若干のアドバイス(=4つ星にした理由)を。
−全体の約半分が「よど号」「金大中」事件について、残り半分の半分(すなわち全体の1/4)は旧軍時代のこと、半分に今の自衛隊のあり方(半分ぐらい情報関連)についての言及。要は現在の自衛隊における情報については、全体のが1/8程度の記述量。これはいくら副題に<陸幕第二部長の回想>とあっても、「自衛隊の情報戦」という主題には見合わないのではないか。(著者がつけられた題ではないと思いますが)
−本文中にある「専守防衛を政略とする我が国」では「地上戦がきわめて困難」とし、「強力な海空戦力とミサイルによる抑止力に頼らざるを得ない」というのも、「元陸幕第二部長の回想」」と受け取っていいものだろうか?また、著者がイギリス陸軍参謀大学で学んだという「同じ任務が達成できるなら、防御は戦力が1/3で済む」に合理主義の国民性を見たというが、これに疑問はなかったのか?このあたり、もう少し突っ込んだ記載がほしかった。