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自衛隊―変容のゆくえ (岩波新書)
 
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自衛隊―変容のゆくえ (岩波新書) [新書]

前田 哲男
5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

二〇〇七年一月、防衛省が誕生し、同時に自衛隊の海外活動が「本来任務」へと格上げされた。米軍再編の進行は、自衛隊を米軍とともに「戦う軍隊」へと導き、もはや専守防衛の原則は捨て去られようとしている。戦地での米軍支援活動や激化する訓練など、急速な変容の実態と軌跡を浮き彫りにし、軍事依存から脱した安全保障政策を構想する。

内容(「MARC」データベースより)

2007年、防衛省誕生と同時に、自衛隊の海外活動が「本来任務」に格上げされた。専守防衛の原則が捨て去られようとしている自衛隊の、急速な変容の実態と軌跡を浮き彫りにし、軍事依存から脱した安全保障政策を構想する。

登録情報

  • 新書: 234ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2007/7/20)
  • ISBN-10: 4004310822
  • ISBN-13: 978-4004310822
  • 発売日: 2007/7/20
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By Fernald
形式:新書
我が国をめぐる安全保障環境の変化とそれを受けての自衛隊の変容は、昔ながらの護憲勢力からはこのように見えるのだろう。ひたすら米国に服従するために、自衛隊は海外での活動を活発化させるとともに、米軍の戦争に協力する準備を進めている、というのが本書の見方だが、このような見方に与する日本人は今や少数派であろう。本書に欠落しているのは、安全保障環境の変化、とりわけ中国の軍備力増強と軍事活動の活発化、そして米国の国力の相対的な低下に対する認識だ。筆者は中国の軍拡はかつての日本の防衛力増強に対抗したものと見ることができるとし、日本が軍縮を行えば東アジア諸国も軍縮を行うと述べているが、筆者は日本の防衛予算がここのところずっと削減され続けていることを知らないのだろうか。日本の防衛予算が減っているにも関わらず、中国の軍拡は続いている。また、米国の国力の低下については一切言及がないが、国力が低下した米国にひたすら日本が服従しようとするという論は説得力が無いのではないか。また、筆者は欧州の安全保障政策を絶賛しているが、EUは今や存続の危機にあるし、リビア戦争に際しては欧州の安全保障政策の問題点が浮き彫りにされた。日本と欧州では安全保障環境がまるで違うことでもあるし、他国の安全保障政策をモデルとして掲げて日本の安全保障政策を批判するという手法は最早有効ではないだろう。

今や朝日新聞や毎日新聞でも書かないような左がかったことがオンパレードな本書は、ある意味「化石」的な価値を持っているのかもしれないが、今後の日本の安全保障環境や安全保障政策を考えるための資とはなり得ない。
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11 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
岩波新書の伝統芸、平和ものだけあって、戦後一貫していた自衛隊の装備強化、軍拡、秘密主義志向を、資料によく当たって調べている。特に発足当初「海外派遣はしない」と強く主張していた自衛隊がその後、なし崩し的に活動範囲を広げてきた経緯を閣僚の国会発言から検証イラク派遣の希望調査が特攻の希望調査のやり方によく似ていたり、自衛隊員の自殺が増えている、というのもあまり知られていなかった問題にも光を当てている。

でも、左の臭みがあって、海自のHPの表紙に「維新」があったことをかつて軍部が称揚した「昭和維新」とからめて論じようとするなど、左翼お約束の「軍靴の足音が復活する」的な文章や揚げ足取りも少なくない。また、「日本海」の命名には近代史にも遠因がある、国名のついた海洋名は時代錯誤なのでやめるべき(「近代史に遠因はない」と外務省はコメントしているし、そもそもインド洋とかアラビア海はどうなのか)といった全く当を得ない主張もある。外国の安全保障に関する議論も違和感。例えば、中国の軍事費増大は日本の軍備増強が引き金と著者は見るが、中国自体の経済発展と装備の近代化と見る方が自然だろう。また、海上戦力を東アジアで共有するなどという著者の代替案も現実を見ると厳しそうだ。

でも、長年日本の安全保障を研究しているだけあって、批判的な自衛隊論の啓蒙書としては上々で、読み応えはある。
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15 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 小僧 VINE™ メンバー
形式:新書
自衛隊の変容。それは今現在進行中の現象である。米軍再編・辺野古・防衛省格上げ・集団的自衛権を巡る議論・・・。本書は、自衛隊を巡るこれら最新の情勢を「専守防衛」から「日米軍事一体化」への変容のプロセスの一環として明快に描き出していく。

90年代から始まった「海を渡った自衛隊」という現象。PKO協力に始まり、新ガイドライン、周辺事態法、有事法制、テロ特措法、イラク特措法といった一連の法律が何を企図していたのか、それらの法律がどのようにして憲法9条を侵食していったのかといったことが論じられており、日本の安保政策史を考える上でも貴重な概説書である。

第3章「戦う軍隊へ」は読み応えがあった。中央即応集団結成や日米共同訓練の実態、米軍再編の意図など、自衛隊が米軍と共に戦える軍隊組織へと変貌しつつあることが伺える。

秀逸なのは第四章「自衛隊のゆくえ」である。従来の護憲派にありがちな、自衛隊は違憲だから即廃止という安易な議論に陥らず、9条と「平和基本法」制定を軸とし、「共通の安全保障」をアジアで達成するための基礎地盤作りのための極めてリアリスティックな青写真が展開されている。もちろん平坦な道ではあるまいが、しかしながら多くの障害があることを理由に著者の議論を空虚な夢想として片付けることはできないだろう。

「北朝鮮問題」に「中国脅威論」。日本を取り巻く不安な情勢を前にして、日米同盟と9条改正を当然視するのではなく、9条を基軸とした、軍事力に依存しない安全保障の道があるのではないか、「9条維持のもとでいかなる安全保障政策が可能か」を真剣に考えねばなるまい。本書は、9条改憲やむなし考える人のみならず、従来の護憲派への問いかけでもある。
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